2020年フリークライミングマルチ本ちゃん

小豆島 吉田の岩場・ 赤いクラック 2020.3.20-22

小豆島 フリー 吉田の岩場・拇岳(おやゆびだけ)赤いクラック

2020年3月20日(金)~22日(日)

メンバー:L田中、太田、他1名(元会員の松浦さん)

大阪在住の松浦さんから「小豆島 拇岳の赤いクラックに行こう」とお誘いを頂いた。

3月20日(金)神戸→小豆島 吉田の岩場フリー

神戸港1:00発のフェリーで出発。「二十四の瞳」を読んでいるうちに寝落ちする。高松経由で7:15 坂手港に入港。甲板で一夜を過ごした車は塩の結晶だらけで外が見えない。コンビニに寄り、窓を水で流してから小豆島オートビレッジYOSHIDAに向かう。

にゃんこフェリー。往復21,000円

松浦さんとは夜合流する予定なので、受付でトポを購入し、フリーに出かける。岩場までは、迷わなければ徒歩10分~。まずはビギナーズロック(上)の大阪の関5.8でアップ。

大阪の関5.8 ワンポイントあって楽しい。

その後ベムロック(下)の雷火5.11aを田中氏がトライ。細かいうえに上部が濡れており、核心はヌンチャクアブミで抜ける。トップロープで私も触り、核心まではノーテンで行けたが、やはり核心突破できず、ロープを掴んで回収。無念だが、核心のボルトがサビサビで、リードトライは恐ろしい。

雷火5.11a 上部が難しい

夕暮れロックに移動し、スペースマン11aを二人で触る。私はありがたや5.9、田中氏はトップガン11bも触る。

トップガン5.11b

最後にリトルオリーブロックに寄り、ピンチクリップ11aを田中氏がMOSして終了。16:30、キャンプ場に戻り、片道30分かけてスーパーに買い出しに行く。夜は冷えるので、オリーブ豚のしゃぶしゃぶをし、20時就寝。松浦さんが合流した頃には爆睡だった。

3月21日(土) 拇岳 赤いクラック 5.9A0 5P

5:00に起床し、ホットサンドイッチで朝食。人気ルートなので早めに取りつこうと、7:00砂防ダム付近に駐車し、石垣の矢印を頼りに親指岳登山道を進む。

登山道入り口。荒神宮に駐車しても良いらしい。

若干迷ったが、7:30取りつきに到着。1P目は「階段やないか」。やさしそうに見えたので、私がリードすることにするが、気がかりなのは、ロクスノの「柱状節理で縦ホールドが多くフットワークが難しい」の記事と、13クライマーのガイドさんが書いた記録に「難しい」とあること。はまるやつか?

1P目 核心

8:00スタート。柱状…これか。縦で斜めで登りにくい。ペツルが打ってある核心からの一歩が出ず、ヌンチャクを掴んでモジモジするも、「敗退の文字はなーーい!」との松浦さんの激励に鼓舞されて突破。その後、1か所ちょっと悪いところがあったが、無事ビレー点に到着。

1P 目 ビレー点より。無風快晴。

フォローの松浦さんの「悪っ!」が聞こえてニヤリ。田中氏からも「5.9ではないね」認定を頂いたので、A0しちゃったけど落ちなかったし、良しとしよう。

2P目は「最初の3mが細かいが、あとは快適」と書いてあるので、松浦さんにおススメしてみる。ホールドありそうに見えるが悪いらしく、4P目のルート核心を待たずして、アブミ登場。

2P目。出だし核心。

確かに触ってみると被り気味で手が悪く、フリーで抜けようと思っていたが、ついつい魅惑の残置アブミに手が出てしまった。一度A0してしまうと癖になる。悔しいが「フォローは早く抜けるのが仕事」と自分を慰める。その後、テラスに鳥の死骸がある(ハヤブサが鳥を捕食するらしい。)というメンタル核心を経て15mほどで終了。

2P目が短かったので、唯一、記録に「難しい」コメントがない3P目も松浦さんに譲ることにする。ここは1か所だけ悪いところがあった。

3P目出だし。

3P目が終わると、広いテラスにでる。いよいよルート核心の4P目だ。フェリーで一緒だった大阪から見えたベテランのI夫婦も追いついて来、和気あいあいとした雰囲気の中、真打 田中登場。さすが田中センパイ、アブミはリュックに入れたままスタート。核心はテラスに上がってからと聞くが、その前も悪そうだ。

核心前のテラスに上がるところが一番悪い気が

テラスに上がり、壁をオブザべする田中氏。あれ?なんか掴んでるぞ!?「ムーブは分かるけど、かけられない」とのコメント。リングボルトは壁にリングがくっついてしまうので、背伸びしてヌンチャクをかけるのが難しかったそうで、スリングを掴んだそうな。それでもそこ以外はフリーで抜けたらしい。田中氏の総評は、「下部はパワー系、上部はムーブが要求される。5.10dか11aか?明星山 左岩稜の5.12aよりトータルでは悪く感じた」。

4P目 上部

私はテラスまではフリーで抜けようとし、被り気味で足がない壁に大苦戦した挙句、パンプしてサビサビのリングボルトにセルフを取って休憩。「もうそこからアブミだよー」とみんなから言われ、やっと腰にぶら下がっていた便利道具のことを思い出して前進。最初からアブミを出せばなんてことなかった。

4P目ビレー点。高度感がすばらしい。

5P目も田中リード。右に行くのか左に行くのか?迷った末に右に抜け、10m弱で階段状のスラブを越えて拇岳の頂上に立つ。

左かな?右かな?

12:45、どのピッチもワンポイントあり、また天気もロケーションもメンバーも素晴らしく、満ち足りた気持ちで握手を交わす。

最高!

帰りはフィックスロープを伝って降りる。20分程度で赤いクラック取りつきより右側に出る。

下山路

もう一度取りつきに戻り、再度1P目を眺める。

ついでにダイレクトルートなども見学。I夫妻はダイレクトルートから懸垂して降りて来た。ダイレクトはリボルトされたばかりで12登れる人には楽しいとのこと。(11bのピッチはエイドでも抜けられるそう。)次はダイレクトをやりに来たいな。

拇岳全容

さて、腹ごしらえ。スーパーに予約していた鳥肉を取りに行き、ダッチオーブンで丸焼き。松浦さんは料理上手だ。

素敵すぎる夕食

ハーブが効いたお肉を堪能し、デザートに小豆島産と佐賀産イチゴの食べ比べをしたりしているうちに21:00近くになり、就寝。

3月22日(日)吉田の岩場 フリー

今日は11時くらいまでしか登れないので、アプローチが短いパーキングサイドロックに行ってみる。

岩場の前には巨大なダム

ビギナーズラック5.9(スラブ)を触るも、全員出だし突破できず、ワイワイしていたら、「モンキーズフィリップの取りつきはそこ違うよー」と声を掛けられる。開拓者さんとのことで、モンキーズフィリップ3P(ただし、トポに書いてあるラインとは違うラインどりを指示された)が、クラックあり、スラブあり、チムニーありの好ルートとのこと。さぁ、行ってみよう。昨日の赤いクラックでお腹一杯の松浦・太田。田中センパイにリードを任せることにする。

ルート全容

最初はアルパインチック。カムを使いながら進む。2P目が悪そうだが、松浦さんはここで時間切れ、懸垂してさようなら。残った田中・太田はそのまま2P目。田中氏が引き続きリード、一段上がって「スラブの海が広がっている…」とのつぶやき。スラブという大海原にプロテクションのない旅に出る決心をしたものと思っていたら、「あ!スラブ回避する方法みーつけ♪」の声。枯れ葉が詰まったクラックを遡行していた。

下降時に撮った写真。スラブです。

3P目にはチムニーが見えるが、だいぶ大きい。「プロテクション取れるか分からないが、行ってみたい」と田中氏。

広そうに見えて、内部は一部狭い

「プロテクションは取れるし、掴めるところ多いけど、狭い!僕でギリ!太田氏は入ったら出られなくなるかもだから入ったらダメ」と言われる。くまのプーさんにはなりたくないので、私は入り込まないようにしてトップアウト。

確かにいろいろな要素があり、楽しかった。

2回懸垂し、12:30取りつきに戻る。観光するはずだったが、時間がない。オリーブ公園にちょっと立ち寄り、フェリー乗り場近くの大阪屋でひしお丼を食べて15:15のフェリーに乗り込む。

小豆島名物ひしお丼。1,100円

18:40神戸に到着。心から楽しめた3日間。上手になって、今度はダイレクトルートを登りにまた来たい。