2024年海外登山フリークライミング

ベトナム Huu lung(フーロン) 2024年12月25日〜30日

ベトナム フーロンクライミング

日程:2024年12月25日〜30日
メンバー:斉藤、他2(ヒラヒラさん、はるさん)

 

年末にベトナムのフーロンでクライミングをしてきました。
フーロンはハノイから北へ車で2時間ほどのところにあります。近年近代化してきているハノイとは違って、古き良き時代を思わせる懐かしの昭和のようなそんな趣のある村でした。スーパーもコンビニもなく、宿は数軒あり、食事は宿が提供してくれているもののみ(レストランなし)。あと数年もしたらこの景色が変わってしまうかもしれませんが、岩塔とトウキビ畑が広がり水牛が働く桃源郷のような景色の中、クライミングを楽しんできました。

 

概要

  • アクセス:ハノイから車で2時間くらい。公共交通機関もあるようだが、私たちはタクシーをチャーターした。
  • 宿泊:VietClimb Homestay (Mao’s homestay)
     ハノイのクライミングジムVietClimbから予約。
     3食付き(ごはんの量が多いので昼ご飯はキャンセルした)。
     WiFiあり。温水シャワーあり(タンクに限りがあるので上手に使おう)。ドライヤーは借りれる。
  • 食事:朝晩は宿で食べた。行動食は近くの商店でお菓子などを購入できる。野菜や果物も売っている。
  • 岩場へのアクセス:徒歩もしくはスクーター。
     宿で所有しているスクーターは台数が限られているので宿泊しているクライマーで譲り合いながら使用した。今回は給油するタイミングがなかったが、村に2件くらい給油スタンドがあるので各自給油する。場所を教えてもらえないとそれとはわからない。
  • 岩場の料金:各岩場は私有地のため村人が都度お金を徴収しにくる。料金は岩場により異なり一人150円から300円ほど。金額はトポに記載があるので開拓クライマーが事前に取り決めてくれた金額を支払う。英語は通じず現金のみでお釣りはない。
  • 岩場:石灰岩。最近の岩場らしく、ピン間は近く1ピン目も遠くないのでプリクリもほぼ必要なかった。長いルートが多いのでヌンチャクは18本以上はあった方が良い。コルネが発達しているため25cm以上の長ヌンが使いやすかった。
  • その他:基本的にキャッシュのみ。朝晩に限らず一日中ニワトリが鳴き時々犬が喧嘩するので寝る時に耳栓は必須。 クライマー以外外国人や観光客はおらず、老若男女みんなが見てくるので「シンチャオ」もしくは「ハロー」と元気よく挨拶すること。
    洗濯機あり。スクーターやビール等も合わせてノートに記入して最後に精算した(現金)。

 

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12月25日(水) ハノイからの移動日

朝ハノイのホテルをチェックアウトしてタクシーでVietClimbへ向かった。VietClimbのオーナーが中心となってフーロンの岩場を開拓してくれたようだ。このジムに東京粉末のチョークが売っていて日本製品を使ってくれていて嬉しく思った。

 

VietClimbでフーロンの宿代を支払い、チャーターしたタクシーに乗ってフーロンへ向かった。タクシー代が高いので同じ日程でフーロン入りするKさん一家と乗り合わせた。フーロンへは公共交通機関でも行けるし(バスがフーロンの近くの町まであるようだ)、バイクでも行けるが道路状況は良くないしベトナムの運転は日本とは全然違って怖いので料金は高いがタクシーにして良かった。ハノイ郊外に高速道路も作られていたり舗装道路も多くあるが、急速に発展しているので人々の感覚が追いついてなくて交通ルールがあってないような感じだった。週末にハノイから来た地元クライマーは原チャリで来ていたので、慣れればなんとかなるのかもしれない。

宿泊施設には昼頃に到着。割り当てられた蚊帳の布団スペースで荷物を整理してから3人で散策に出かけた。宿の黒い犬ムックが道案内をしてくれた。宿から一番近くの岩場Thanh giongまで30分くらい歩いた。途中、畑が広がり水牛がいて、遠くに岩塔がいくつも見えてあたりの素晴らしい景色に圧倒された。翌日からのクライミングが楽しみだ。

宿に戻り、クライマー達も続々と帰ってきた。夕飯は毎日全員で同じ皿のご飯を食らう。


 

12月26日(木) Dragon Wall

どこのエリアに行こうかとトポを見ながら最初はまろやかなグレードの岩場が良いと相談していて、Dragon Wallが良いかなとなった。が、Dragon Wallは宿から離れていてアプローチがよくわからないと言っていたら、台湾人の若者3人がDragon Wall の近くの岩場まで行くとのことで、付いておいでと言ってくれた。この3人は世話好きで良い若者だった。
バイクは私達3人で2台。ヒラヒラさんとハルさんが二人で乗って、私は一人だが自分のザックを前に抱えヒラヒラさんのザックを後ろに背負うスタイル。バイクはマニュアルでギアの切り替えがあり、ブレーキの効きが悪かったり低ギアでアイドリングするとエンジンが切れたりと問題が盛りだくさんだけど、まぁゆっくり走ればなんとかなる感じです。なんとかなるというかなんとかしないと岩場に行けないよね。おまけにパンクしたりしたけど。ロイくんたちの案内で岩場へはゆっくり走って無事に到着できた。
ところでベトナムでは車もバイクもみんなクラクションを鳴らしてうるさいくらいだけれど、これがすごく重要なルールだと感じた。というのもバイクのミラーは片方しかなくて位置調整もできずほぼ後ろが見えないので、後ろから早い車や大きいトラックが来ても気づかない。クラクションを鳴らすということは「危ないよ」という警告ではなくて、「今から抜かすぞー」という合図なので鳴らしてくれた方が助かる。私も歩行者や自転車を抜かすときは安全のためなるべくクラクションを鳴らすようにした。この考え方で合っているか知らないけど。

Dragon Wall はバイクを停めたところのすぐ上にある。フーロンはアプローチ至近の岩場が多かった。そして壁は大きく高さがある。今回のメンバーは、みんなエンクラ目的で来ているので、トポを見ながらまったり登った。登ったグレードは低かったが、長いルートはヌンチャクをたくさんぶら下げるので重かった。短いルートでもまだあまり登られていないためかトゲトゲしていて指が痛かった。楽しい石灰岩クライミングだけれど厳しさも感じた。

<登ったルート>
 Bi-dihedral 5b 14m MOS
 Metallica 6a 20m FL  メタリカ好きなら登るべし。エッジが効いていたよ。
 Thought for Mr.robot 6c 35m x 楽しいルートだったが登れず。
 Dusty days 6a+ 14m MOS

 

 

12月27日(金) Head Wall

朝は卵入りのインスタントラーメンだった。朝食は8時くらい。夕食は18時30分から19時くらい。
ここの家(1階にマオさん一家が住んでいる)には犬が2匹くらいいる。黒い穏やかな犬ムックは夜トイレで寝ている。白黒の犬は「ドムン」で、子供に何度も犬の名前を聞いたんだが結局発音はよくわからなかった。子供が薄笑いしていたので多分違うんだろう。それと時々服を着ている小型犬(チビと命名)が遊びに来ていた。この3匹の犬達に癒された。宿は高床式で私たちは靴を脱いで2階で寝ているが、誰かのクロックスの片方をチビが遊んで持っていった時もあったらしい。遠くの畑の中で見つかった。

 



この日はHead Wall という岩場へ行った。バイクで30分くらいかかった。ゆっくり走ったので実際の距離は短いが時間はかかった。Head Wallの岩場の下に宿があり、この宿の駐車場にスクーターを停める。
この岩場にはポーランド人カップルが1組いた。フーロンは岩場が点在していてクライマーの数が少ないので、この日以外は他のクライマーに会うことはなかった。
Head Wallの岩場はコルネが発達していて面白い形状の壁だった。

<登ったルート>
 Bristol fashion 6a 15m MOS アップに良いかと思ったが出だしのガバがチビには遠かった
 Free the spirit 6b 23m FL 面白い
 war and peace 6c 26m TopOut 面白いがホールド遠目

 

 

12月28日(土) Thanh giong

朝は卵入りのインスタント焼きそば。この日は土曜日ということもあり、ハノイから地元クライマーが来て宿は賑やかになった。日帰りで帰る人もいたが同じ宿に泊った人もいた。ベトナム人たちは缶ビールを飲んで楽しそうにしている。宿に泊まっている他のクライマーは、ヨーロッパやアジア各国いるけど誰もアルコールを摂取していなかった。ヒラヒラさんを除いて。だからこの日はヒラヒラさんが少し嬉しそうにしていた。

 


この日のクライミングは初日に見に行ったThanh giongというエリアへ行った。バイクを運転するのはちょっと疲れるしThanh giongは歩いていけるし、グレードも手頃で気に入ったので翌日も行った。

<登ったルート>
 Seal rider 6a 29m アルパイン的
 echo 6a+ 30m 小さい洞窟がある
 tufadaction 6b 35m トゥーファ(Tufa;大きいコルネ)中毒?というルート名か?その名の通り長くて楽しい
 magic mashroom 6a+ 20m トゲトゲしていて痛み核心

 

 

 

12月29日(日) Thanh giong

<登ったルート>
 the root 6a 25m 普通に楽しい
 docodemo door 6b 30m どこでもドア?
 Babylone spirit 6a+ 裏切られない楽しいルート

 

  

 


12月30日(月) papara wall

最終日。夜中の便で帰国するため、午前中は登れる。近くで短くて初心者向きの岩場のpapaya wall へ行った。宿から一番近いこじんまりとした岩場だ。最終日で少し疲れが出てきたので朝ゆっくりとして、宿の人に昼食を作ってもらってのんびり出発した。犬達が一緒について来て可愛い。途中でいなくなったが。

まったりと登って、作ってもらったお弁当を食べてゆっくりして宿に戻った。宿で最後シャワーを浴びて着替えてチャーターしたタクシーに乗り直接空港へ向かった。
フーロンは、不便なことも多いが景色も人も良くて素晴らしいところだった。


<登ったルート>
 falk the system 5c ランナウト気味
 La voie royale 6a+ 核心があって面白い
 Meh sua 5b