横尾尾根~槍ヶ岳
2020年12月26(木)-30(月)
メンバー:L斉藤、多田
行程:
12/26 09:00 中ノ湯温泉~14:00横尾山荘(冬期小屋)
12/27 08:30横尾山荘(冬期小屋)~16:00 P4
12/28 06:30 P4~(事故対応の為、1時間ほどロスタイム)~16:00横尾の歯(通過直後幕営)
12/29 0700 横尾の歯~16:00槍ヶ岳山頂~16:20槍ヶ岳山荘(冬期小屋)
12/30 0700 槍ヶ岳山荘(冬期小屋)~大喰岳西尾根(ルートミスの為、大喰沢を下降)~
13:00飛騨沢~19:00 新穂高ロープウェイ駐車場

概要
12/26
新穂高ロープウェイ駐車場からバスで平湯温泉まで行く。
平湯温泉で松本方面行きのバスへ乗り換えて中ノ湯で下車する。雪が降り出していた。

 

途中、トレランのレジェンド岩瀬さん(トランスジャパンアルプスレース考案者&岳連副理事長)とすれ違い挨拶を交わす。蝶ヶ岳へ行く計画だったが明日、天気が荒れる予報なので撤退するとのこと。
横尾山荘の冬期小屋には2人組とソロのおじさんがいた。天気は雨になっていた。夜になっても雨と強い風が吹いていた。

12/27
外に出て見ると雪になっていた。風も時折強く吹く。しばらく様子を見ることにした。
悩んだ結果、とりあえずP4までは問題ないだろうと考え出発することにした。
3のガリーへ入ると先行パーティのトレースがあった。前日からの降雪の影響で数カ所に点発生雪崩の跡があった。トレースを外すと膝上まで潜ってしまう。

尾根上に上がると雪崩を恐れから開放され安堵する。
尾根上は風が強く吹いていたが樹林帯のおかげで影響は少ない。
P4は開けており風が強い、雪も継続して降っていた。よい時間になっているのでここで幕営準備をする。2人組の先行パーティがすでに幕営していた。

 

12/28
快晴、昨日に先行していたパーティより先に出発するもすぐに追いつかれた。交代でラッセルすることにした。順調に進んでいたが横尾の歯直前で事故が発生する。
私は先頭のラッセルを終えて先頭集団から10mほど後方を歩いていたが「ドスン」と音がした。駆け寄ってみると一人いない。先頭者(Tさん)が雪庇を踏み抜いてしまい高低差約200m槍沢側へ転落したのだった。事故対応に1時間ほどかかった。Tさんの生存確認とヘリ救助の手配ができたので我々は先へ進むことにした。

 

横尾の歯は1ピッチで斉藤がリードして無事に越える。
横尾の歯を通過後、よい時間になったので幕営する。
横尾の歯を通過中に岐阜県警にヘリが飛来しピックアップしていった。(滑落したのは長野県側だったがヘリが整備中だったため岐阜県警のヘリが出動した。)

12/29
快晴、素晴らしい景色だった。

横尾尾根を順調に抜けたることができた。槍ヶ岳と南岳の稜線分岐までは雪面が固く気が抜けない箇所が多かった。
雪庇を越えると稜線分岐点に出た。天気はよいが風が強い。

 

P8直下 もう少しで横尾尾根を終える。

稜線分岐手前の雪庇を越える。

 

槍ヶ岳山荘冬期小屋で荷物を下ろし山頂へ向かう。日暮れが近くなっていたので急いで登る。
約17分で山頂へ到着する。日暮れ頃には雪が振りはじめ風が吹き始めた。明日の天気は荒れそうだった。

12/30
小屋の外へ出るとガスが濃く視程30m程度で風も強い。暴風雪の天気であった。
小屋から大喰岳を目指し登り返す。時折、平行感覚が失うホワイトアウト状態になり動けなくなる。GPSを頼りに進む。なんとか大喰岳西尾根に取付下降し始める。少し安堵した。

 

偵察山行で西尾根の途中まで来た場所にきたときはもう大丈夫だろうと思ったがここで尾根から外れてしまい大喰沢に入りこんでしまう。沢を下りながら尾根へ戻ろうとルートを探るが戻れないまま沢を下る。雪崩も数回発生させてしまい。かなり厳しい状況だった。

 

少しでも雪崩を避けようと尾根側をギリギリに攻める。沢なので積雪量が多く深いラッセルを強いられたが無事に飛騨沢へ降りることができた。
その後もラッセル続きで槍平に到着する。

日も暮れ19時、新穂高ロープウェイ駐車場に到着する。


穂高倶楽で入浴、高山市内のファミレスで食事して帰路についた。