岳沢定着(明神岳・前穂高岳)

2016年5月1日(日)-4日(水)

メンバー L吉村、久保田、武田、内田、太田、小川よ、天野、嶌村

タイム 1日目:上高地(6:30)-岳沢(9:30)
2日目:岳沢(5:10)-明神岳Ⅴ峰(10:45)-明神岳本峰(15:10)-奥明神沢のコル(16:30)-岳沢(17:20)
3日目:岳沢(5:30)-前穂高岳(8:40)-吊尾根最低コル(10:40)-前穂高岳(11:45)-岳沢(13:45)
4日目:岳沢(8:10)-上高地(9:50)

  1日目:5月1日
あかんだな駐車場発5:20のバスに乗り、上高地バスターミナルから6:30に歩き始める。 雨やヒョウが降ったり止んだりのスッキリしない天気の中、荷物が重いこともあり、岳沢までの緩い登りを3時間かけてゆっくり登った。

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 テントを設営し、10:30頃 天狗沢に向かう。雨は止んだものの、相変わらず山々はガスの中。天狗沢にて、新人メンバー中心に滑落停止訓練を行うも、雪が湿っており、なかなか滑らない。その後、コブ沢に場所を変えてロープを出し、スタンディングアックスビレーの練習をしながら下山。

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  14:00にテントに戻る。ビーフシチューを美味しく頂き、18:00 早々に就寝。
滑落停止訓練、雪上歩行、スタンディングアックスビレーともに、「こういうものか」ということが分かったものの、身に染み付くところまでいっていない。技術を完全に習得するまで、まだまだ反復練習が必要だ。(記録・太田)

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 2日目:5月2日
 3:30に起床。前日の悪天候とはうってかわってきれいな晴天。こんな日に歩けるのが嬉しい。サンドイッチとスープで朝食をとり準備する。

  5:00 岳沢出発。歩きだすとすぐに暑くなるくらいの気温。少し歩いてみんなジャケットを脱ぐ。その間に新人の武田と太田は念のためはいていたアイゼンをはずした。距離が短かったのでなくてもよかった。 

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  6:00 南西尾根の取りつき。七番の標識が目印。ぜんぜん雪がない木々のなかをひたすら歩く。割と傾斜があるが、それほどしんどくはない。 途中の休憩地点で武田が手を滑らせて水筒を落としてしまった。どこかで止まるかと思ったが、斜面を果てしなく滑り落ちていく。やってしまった。回収ができず、申し訳ない。恵んでもらった水でしのぐ。
 上高地を眼下にみながらしばらく歩き、岩をつかみながら歩くのがそろそろ怖いな~と思っていたところでストップ。ハーネスを付け、ロープを出す。吉村さんがフィックスを張ってくれるというので、武田が確保することになるが、もたもたしていて早速注意される。

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  三角岩峰を超えると、向こう側にみえるジャンダルム付近にずっとヘリコプターが張り付いているのがみえる。歩いていると別のヘリコプターが頭上を通過して同じところに向かっていくので、ちょっと心配になる。

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  10:40 V峰。古いピッケルが刺さっているのがドラマチック。3年前の事故の方向に向かって全員で合掌。山でつらい思いをする人がいなくなるといいと思う。

Ⅳ峰からⅢ峰を見る

Ⅳ峰からⅢ峰を見る

 IV峰に12:00。大き目の休憩をとる。みんなが食べたり写真をとったりして遊んでいるなか、小川さんはスケッチ。風流。Ⅲ峰の岩場はロープを出さずに登れた。

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 問題はII峰。登りはよかったが、懸垂で降りるところでトラブルたくさん。1年未満の新人は三人(武田・内田・太田)。武田は長い懸垂が不安なので、プルージックでバックアップをとるが、効きすぎてモタモタする。次に降りた太田は、途中のトラロープに絡まり、嶌村さんが上から颯爽とヘルプに。内田は途中でふられてしまう。ロープが岩にひっかかり、うまくはずれず、小川さんが下から颯爽とヘルプに。 これだけでほぼ1時間のロス。上で久保田さんと天野さんが待ちぼうけ。小川さんは絵具を取り出してスケッチを継続。

 

Ⅱ峰懸垂下降

Ⅱ峰懸垂下降

 前穂に行く予定だったが、時間切れ。 15:05 明神岳I峰。嶌村さんが持ってきたコーラをみんなで回し飲み。おいしい。

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 もう一度懸垂して、奥明神沢のコルでアイゼンを付ける。しばらくおとなしく歩いて下りるが、吉村さんと小川さんが尻セードでいくのが楽しそうだったので、武田も前へならう。早い!
天野さん・嶌村さん・久保田さん・ 内田さん・太田さんはちゃんと歩いておりる。

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  17:20 岳沢到着。思った以上に時間が遅くなったので、テントに到着してすぐにクリームシチューとニンジンサラダで夕食。小屋の小池さんも参加して大宴会。嶌村さんが歩荷したワイン・日本酒と、小池さんの差し入れのワインがあっという間になくなり、明日二日酔いになるといやだなと思いながら就寝。(記録・武田)

 

  3日目:5月3日

  3:30 起床。今朝の朝食はセロリのチーズリゾット、セロリの香りがいい香りだった。朝食を食べ終えテントから顔を出し天候を確認する。薄い雲はあるが晴れており問題なく行動できる天候だ。

 準備をしてテント場を5:45に出発する。 昨日下ってきたときに急斜面だと思っていた奥明神沢だが、下から確認しても急だ。しかしGW期間で何名かのトレースが付いているので比較的に足場があり登りやすい。歩き始めて1時間ルンゼ分岐まで約半分ほど来たところで1Pをとるが座って休憩する場所もなく立ちながらの休憩となる。

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 さらに1時間ほど登りダイレクトルンゼ分岐につく。 先行していた吉村がハイマツ越しに8人分の休憩場を整地してくれていた。ここから斜面が更に急となる為、新人はアックスを出して登る。ダイレクトルンゼを30分登った所から背後に乗鞍、左に間ノ岳が見えてくると吉村が「なんだかヒマラヤを登っているみたいで気持ちがいい」しかし自分には景色を楽しむ余裕はなく、下りの事ばかり考えていた。

  明神岳を見下ろすまで登ると道標が見え9時過ぎに前穂山頂に到着。山頂からは涸沢、穂高連峰、蝶ヶ岳、常念岳が一望できた。 小休憩後まだ時間が早いこともあり吊り尾根を奥穂方向へ進む。

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 紀美子平から前穂沢をトラバースするところでロープを出す。ロープを準備していると小川会長、天野が超急斜面をまるで雲の上を歩いているかのようにトラバースしている。さすが名古屋山岳会だ。最低コルまで行ったところで時間切れで引き返す。

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  帰りは前穂沢をトラバースするルートではなく、トレースが有った尾根を通ることとした。尾根道は雪も少なくスムーズに前穂へ戻ることができた。ここからは超急斜面を下る為アイゼン、ピッケルワークを確実に行いながら下降するが、足が前に出ずにメンバーに後れをとる。その中で天野が横で付きそって頂き心強い。

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  14時過ぎに先頭到着からどの位遅れたか分からないが、奥明神沢取りつき地点に到着。メンバー皆が待ってもらっていてありがたかった半面申し訳ない気持ちもあった。14時30分岳沢小屋に到着。 時間も早い事もあり各自シュラフを乾かしたりしながら時間をつぶした。早めの夕食をすませ小宴会を行っていると岳沢小屋に勤務している小池さんから「小屋の中で飲もう!」とお誘いの言葉がかかり、2次会が始まる。

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 宴会では各自山に対する思いや昔の山岳会の伝説話などを聞けて良い勉強になった。20時就寝。(記録・内田)

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  4日目:5月4日 夜中中降っていた雨が止み、テン場を出る頃には晴れ間が出ていた。前穂吊尾根、乗鞍岳もよく見え、清々しい朝だ。岳沢ヒュッテの小池さんが見送ってくれた。
  上高地バスターミナルまでの登山道をどんどん下る。石がゴロゴロしており、歩きにくい。登ってくる何組かのグループ、家族連れとすれ違う。

 7番の標識で小休止する。立ち止まると汗が引き、少し寒い。 河童橋手前の眺めの良い場所で、しばし休憩してからバスターミナルへ向かう。

 平湯で温泉に入り、帰路に就く。(記録・久保田)