夏合宿剱岳チンネ左稜線　2015.8.9

2015.8.9　2日目　剣岳　チンネ左稜線　　　　メンバー　L田中・岩津（記録）

2：00起床→2：50真砂沢テント場出発→6：00熊の岩→7：00池ノ谷乗越→8：00チンネ取付→8：50登攀開始→17：00登攀終了→熊の岩18：00→テント場19：00

２時に起床し、サンドイッチとスープで朝食をすませ真砂沢を３時少し前に出発する。星がきれいに出ているので天気の心配はなさそう。

　長次郎谷出合の手前でアイゼンを装着する。振り返ると後ろから真砂沢のパーティが次々に上がってくる。ようやく熊の岩が大きく見え始めるとそこから下りてくるパーティが池ノ谷乗越へと上がっていく。

池ノ谷乗越から小窓ノ王が力強く見えた。池ノ谷ガリーの下りは右と左に分かれて歩くが蟻地獄のように崩れ落ち歩きにくい。ようやく三ノ窓に到着すると、青い空にくっきりと映しだされたチンネが目の前に飛び込んできた。池ノ谷側の毛勝三山は穏やかにやさしく見えた。再びアイゼンを装着し三ノ窓雪渓を少し下るようにトラバースして取付に行く。

順番を待ちながら登攀の準備をする。8時50分スタートし、田中さんの1ピッチ目が3分と高速。登るより待ち時間が長くなる。前パーティの人は真砂沢を2時出発し、三ノ窓雪渓を上がってきたとの事。5ピッチ目の登りだしは難しそうだったが、左に行けばホールドがあるとリーダーが教えてくれた。7ピッチを過ぎるとクレオパトラニードルが見え、核心の鼻と呼ばれる9ピッチ目が見えた。田中さんが八ツ峰にいる摩耶さんたちを見つけた。声をかけるがこちらがわからない様子。後ろの人がかわりに手を振ってくれた。T５の核心部を田中さんはなんなく抜けて行ったが、私は高度感でかなり緊張した。その先、そそり立つリッジを見ていると足がすくむが登ってみると意外に難しくない。少しロープの流れが悪く進みにくい。頭が近づくにつれガスがかかり始めた。頭へのトラバースも見た目より登りやすく無事に完登出来た。静かに引っ張ってくれたリーダーに感謝。後続の人が三ノ窓にテントを張ってお酒もいっぱいあるからと声を掛けてくださり、また再会できることを願う。時間に余裕がないのでゆっくりは出来ない。頭から２回懸垂し池ノ谷ガリーへ下りると17時を過ぎていた。こんなに何ピッチも登ってきたのにチンネの頭から池ノ谷ガリーが案外近くて驚いた。行きに苦労した池ノ谷ガリーの登りはあっという間だった。この先の長次郎谷の下りが危ない。出だしは急斜な雪渓をさけるため左側の岩壁に沿って下る。途中、前パーティの人たちは女性の要望でロープを出していて、私にも声を掛けてくれたが、リーダーが足場を慎重に選びそのまま私たちは下りた。安全な所でアイゼンを装着し雪渓に入った。順調に下り、熊の岩18時、テント場の外にメンバーの姿が見えた時は嬉しかった。

そして19時、無事到着すると会のメンバーが私達を暖かく迎えてくれた。