8月14日(日)

メンバー:有冨(L)、福井、内田、砂田、太田(記録)

タイム: 3:50涸沢テント場-4:50ゴルジュ上部のガレ場(大休止)-6:00 東稜登攀開始-7:00ナイフリッジ-7:40懸垂地点-8:45北穂小屋 (大休止)10:00下山開始 <ドーム中央稜取り付きまでピストン>11:00 奥穂高・涸沢分岐 12:00 涸沢カール

 

午後から天気が崩れるとの予報であったので、滝谷は諦め、午前中に終了できる北穂東稜に行くことになった。塩雑炊を食べ、3:50出発。まずは北穂への一般登山道を登る。途中途中、事前にプリントアウトしてきた取りつきへのルート画像と地形を見比べながら進む。

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4:30夜が明け始め、4:50にゴルジュ上部のガレ場に着き、大休止していると、2人組が登ってきて、そのまま東稜に取り付いていったので動きを観察する。ハーネス、ヘルメット等、登攀具を身に着け、5:20、一般道をはずれて、ガレ場をゴジラの背に向けて進む。落石しないよう、注意は必要なものの、それほど悪くない。

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5:40斜度が上がるあたりから、落石の危険が少なそうに見える草付きに移動。ミヤマダイコンソウ、ヤマハハコなどが咲き乱れる斜面を上がる。

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5:50斜面を上がりきり、雲海と朝日を眺めながら小休止。

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6:00いよいよ東稜の登攀が始まる。事前リサーチによると、ロープがあってもなくても行けるバリエーションルートとのこと。最初は岩稜歩き。槍ヶ岳を右手に臨みながら進む。下界は雲が多いが、穂高連峰、常念、裏銀座方面の山々がはっきりみえる快晴だ。

6:30「ロープがあったほうが安全かな」、と思われるギャップに出会い、ロープを出す。内田さん・福井さん・太田、有冨さん・砂田さんに分かれて行動。欲しいところにハーケンが打ってあり、至れりつくせりだ。

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7:00、核心と思われるナイフリッジに差し掛かる。内田さんがリードでロープを張ってくれる。そう怖くもないが、ところどころ岩がもろそうだ。

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この核心を終えると、東稜のコルへの懸垂地点となる。情報どおり、クライムダウンでも行けそうだが、懸垂したほうが安心。懸垂支点はしっかりしている。7:40~8:00 20分かけて全員降り切り、ロープを仕舞って休憩。槍ヶ岳、北穂山荘が大分近くなってきた。反対側に目を移すと、富士山が見えている。本当に午後から崩れるのか?と疑いたくなるような好天だ。

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8:20ウサギギク、ミヤマアキノキリンソウ、リンドウ、ウラベニダイモンジソウ、ヨツバシオガマなどがが咲く稜線をゆっくり登り始める。

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8:45 北穂小屋、北穂頂上到着。頂上でのんびり好天を楽しむ。

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続々と大キレットから登山者が登ってきて、山頂は賑やかだ。「ライチョウだ!」との声が上がり、見に行くと、お母さんライチョウと子供が数羽、山頂直下に居た。10時前、下山開始。内田さんと福井さんはドーム中央稜の取り付きを見に、コルまで足を伸ばす。11:00 奥穂-涸沢の分岐にて合流し、再び全員で下山開始。とにかく暑い。斜面にはアザミ、トリカブト、サラシナショウマ、ミヤマシシウドなどのお花畑が広がる。12:30 下山完了。テン場に戻ると、新美さん、粂野さん、西野OBが待っていた。天野OBと加藤OBも西穂~奥穂を経て降りてこられた。

17:00 夕食。本来のメニューはタラコスパゲティと塩昆布と白菜・きゅうりのサラダ、コンソメスープだったが、昨日荷揚げした白菜がサラダで食べるには元気なかったので、塩昆布ときゅうりのサラダにして、コンソメスープに白菜を入れた。なかなか美味しい。ここまで好天が続いたが、エッセン中に少し雨がぱらつく。ヤマテンをチェックすると、明日は雨予報。起床を3:00に設定し、そのときの判断で、登攀か、撤収か決めることにした。18:30 テントに入り、就寝。19:00雨がザーッと降ってくる。そして30秒くらい、長い落石の音が聞こえた。5、6のコル方向か?東稜か?どちらにせよ嫌な音だ。

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