2016年8月12日
メンバー 有富・丹羽マ・武田
丹羽ダ・内田(記録)
タイム 起床(2:00)-涸沢(3:00)-南峰(5:00)-ドーム取り付き点(6:00)
―登攀開始(7:00)-登攀終了(9:30)-北穂高(12:30)-下山開始(14:30)-
涸沢(15:30)
朝起きると満点の星空だ。本日は晴天が予想される最高の一日となるだろう。
暗い中、南稜を北穂に向けて登っていく、クライマーの朝は早い。5・6のコル、東稜にはすでにベッテンのライトが無数に光っている。北穂幕営地あたりで朝日が顔を出した。
東には常念、南方向には南アルプスそして富士山も見えた。夏のこの時期に北から富士山を見られることはそうないと思う。
2時間もしないで稜線へあがる。先頭を行く丹羽ダはドーム中央稜終了時間しだいで、後続Pの有富とクラック尾根を登るらしい。やる気スイッチが入っており付いて行くのが精一杯だ。
南峰から稜線を奥穂高方向へ進みドームを巻く、その先のコルから下る。途中20mほどの懸垂後、右へトラバースすると取り付き地点に到着。第四尾根取付きに向けC沢を下る仲間が見えた。急なガレ場を下っていて苦労しているようだ。
計画通りパーティー編成を丹羽ダ・内田、後続を有富・丹羽マ・武田と決めて登攀を開始する。
1P目 内田(Ⅳ)クラックからチムニーになりチョックストーンで終了となる。丹羽ダからチムニーに入らず左側をのぼったほうが良いとアドバイスを受ける。チムニーに入りたい気持ちもあったが、アドバイス通りに左に行ったため、スムーズに終了点についた。後続の丹羽マさんはチムニーに入り込んでしまっていた。ザックが引っ掛かってしまうため、自分たちのザイルを下してザックを持ち上げた。
2P目 丹羽ダ(Ⅴ)カンテを登るガバが多く安定しており気持ちに余裕ができ周りを見渡す。ガスひとつ無い荒天のため気持ちが良い。仲間たちが登っている滝谷第四尾根が綺麗に見える。
3P目 内田(I)がレ場を歩く。
4P目 丹羽ダ(Ⅳ)凹角を登る岩が寝ているガバも豊富。リードの丹羽ダは難なく終了する。セカンドの内田はフェースからクラックに入るとチョックストーンに行き場をふさがれ、悩んだ末に無理な体勢のジャミングでクリアした。
5P目 丹羽ダ(Ⅴ)今回の登攀で核心と言われていたピッチだ。凹角を登っていき最後にスラブをトラバースして終了。思っていたよりスムーズにのぼっていた。続いて内田。核心という言葉に緊張しながら登る。出だし好調スムーズだ。終了点が見えたところが核心だと思っていたが最高に気持ちよいガバ(笑)。どうやら核心ではないようだ。
終了点で後続の有富・丹羽マ・武田Pを待つ。一時間待って今回のドーム中央稜チームの登攀が終了した。
その後、有富・丹羽ダはクラック尾根に取り付くため先に北穂高方向へ行く。丹羽マ・武田・内田ペアは北穂小屋であす以降のルート確認と休憩を行うこととした。縦走路に出ると北穂山頂から永井・西野OBが手を振っていた。
小屋で休憩をしていると有富・丹羽ダが戻ってきた。どうやら今回は断念したようだ。皆、揃ったところで涸沢幕営地に下山した。