1 日 時  平成28年3月19日(土)~21日(月)

2 メンバー L嶌村、福井、久保田

3 行動内容   3/19(土)9:30駐車場-9:50大谷原-11:30北俣出合-12:30駐車場 (記録:嶌村)

 名古屋は本降りの雨で天気予報では19日は雨で20日以降快方に向かうとのこと。天狗尾根実働2日は厳しいけど雪の状況次第かなと、23時ルーム出発。 大谷原駐車場に3時過ぎに到着。雨はますます激しく、車中で絶望的に仮眠。7時過ぎ、雨の中退屈しのぎにサンアルピナスキー場に車で行くも雪少なく駐車場空っぽ。快適なトイレを使用後、温泉郷の薬師の湯に行くが、開館は10時。そうこうしていると、空が明るくなってきた。快方に向かうのではと、急いで駐車場に戻り、出発の準備。雨が止んだ。行くぜ、と歩き出した途端雨が降り出す。暖かい。我々の他は東尾根に1パーティに赤岩尾根の単独者。先頭交替しながら雨の中を黙々と歩く。赤岩尾根の単独者追い越した。天候悪く天狗から変更したと思い、ラッセル楽になると喜んでいたようだ。(一言教えてくれ!)堰堤2つのはずがいくつもの堰堤を越えている。おかしいと思ったその時、「ここは北俣出合だ」とGPS見て福井。あれ。何で気が付かなかったんだ。さらに、福井はラテを車に忘れたことに気が付く。何度か歩いた道のはずなのにと、暗い気持ちで駐車場に帰る。雨はようやく止んだ。日差しも射してくる。明日以降のことを考えると、今日、アラ沢出合まで行くべきかとも思ったが、雨で濡れてしまったのでテント設営してものを乾かし、寝不足なので昼寝。皆仕事で疲れていた。ゆっくり休むことができた。久保田の奥さんが用意してくれたエッセンに大満足。

3/20(日)6:00駐車場―8:30アラ沢出合-11:30 第1クーロワール-13:15第2クーロワール-14:25天狗の鼻

 北壁に行く坂口らが来ないなと彼らにトレースを当てにしていたので出発が遅れる。北壁2パーティ。うち一人単独で主稜。積雪は少ないが昨日同様ズボズボ埋まる。堰堤2つ越えたら渡渉2回。北壁単独者はワカン履いて渡渉。この方が靴が潜らずいい。我々は2回目で靴を脱ぐ。久保田はバランス崩し装備を濡らす。

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1回目の渡渉は慎重に

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久保田が後ろではまってしまっている。おいおい

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雪解けは進んでいて例年より水量多め

 取水口左のFIXを越え、8:30アラ沢出合到着。200m入った右手の尾根のルンゼっぽい所を上がるとのことだが、トレースは500m位奥へ入り、右の急斜面に取りつく。雪が少なく、草や木の上に薄い雪は歩きにくい。この斜面を上がっている間に北壁組に何パーティも抜かれる。出合からの尾根と合流した後、しばらくしたら「おっ、嶌村さんじゃないっすか」と。坂口ら4人パーティがやってきた。坂口はいきいきとしていた。ルームで酒飲んでいた時と別人のよう。計7~8パーティは抜かれたんじゃないか。みんな北壁。縦走は我々ロートルのみ。すごいなあ、みんな。全国から精鋭がここに集まっているんじゃないか。
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やせてきた。第1クーロワール手前

尾根はやせていて雪庇やキノコ雪を左右に巻いたりして第1クーロワール到着。雪はくさっているが、ロープ不要。随分傾斜があるが大丈夫。その上はキノコ雪を絶妙なトレースで右に迂回。

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雪庇は安定している。

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北壁組は着実な歩きで何かと参考になる。

続いて第2クーロワール。こちらの方が傾斜がある。快晴で暑い。雲の切れ間に遠見尾根が間近に見える。手前の尾根がせりあがってこちらの尾根と合流した所が天狗の鼻だ。クーロワール越えて、最後の雪面を登りきるとようやく天狗の鼻に到着する。 福井14:00久保田、嶌村14:25着。久保田の調子が上がらない。高所を歩いているようだ。でも足取りは確実。

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天狗の鼻の最後の上り

天狗の鼻は絶好のビューポイント。北壁、荒沢奥壁が大迫力で迫る。奥壁はまるでモンブラン・ブレンバフェースのよう。我々の天狗尾根も迫力ある。小舎岩から右手の岩場を上がると荒沢の頭、そこまでがポイント。下りが急そうだ。坂口によるとアックスでクライムダウンして2ピッチの懸垂。ウーム。久保田はアックス持ってないじゃないか。久保田はここで待っていると。こんなルートとは思わなかったと。おいおい頼むぜ。自分としては、天狗尾根を下ることは避け稜線に抜けたかった。抜ければ、北峰と南峰間から西俣本谷降りるのが最も早く下山できるが我々は本谷を知らない。明日頂上行くと間違いなく下山は遅くなる。我々の体力ではちょっと無理だ。もう1日欲しい。悔しいがここまで。昨日のミスが痛かった。天狗の鼻は快適。月明りで奥壁が神々しい。

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天狗の鼻から鹿島槍頂上が堂々と見える。

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正面尾根各リッジと中央ルンゼ

3/21(月)8:30天狗の鼻-10:30第1クーロワール下-12:30アラ沢出合-14:30駐車場

 坂口たちは3時過ぎには北壁に向かって行った。グッドラック。我々は、ゆっくり起き、雪が緩んでから下りだした。第2クーロワール50m懸垂。やせた尾根を下るのは上るよりもいやらしい。雪はまだしまっているので楽に下れる。続く第1クーロワール手前から2PのFIX・懸垂でロープしまう。やせた尾根は続くが、段々幅が広がり後はひたすら下る。

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第2クーロワール

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第2から第1クーロワール間はやせている

途中から尾根末端からのトレース(本来のルート)に知らないうちに入り、急なくだりで嶌村が転び打撲。最後は本当に急な木登りを降りて、アラ沢出合。行きには気が付かなかった。こんなところがアプローチなんて。取りつきにも何も目印はなく、さすがクライマーが登る尾根だわと感心する。渡渉は帰りなのでじゃぶじゃぶ渡る。春風さわやかな中、駐車場に到着。 敗退はしたもの、春山を満喫することができた。初日のミスが大きく、逃した獲物は大きい。天狗の鼻で頂上を見上げた時、ファイトが湧いたことに満足した。まだ気持ちが萎えていない。久し振りの雪の鹿島槍、いい山だ。また来るとするか、と薬師の湯でリラックスして帰名。

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この次は絶対登ってやるぜ。