メンバー:L内田(記録)・福島

タイム:1日目:上高地(6:00)・・・横尾(8:20)・・・槍沢(10:00)

2日目:槍沢(1:30)・・・大曲(2:00)・・・水俣乗越(3:30)・・・北鎌沢出合(5:45)・・・北鎌のコル(8:15)・・・独標(10:00)・・・北鎌平(13:30)・・・槍ヶ岳(15:00)・・・殺生ヒュッテ(16:00)

3日目:殺生ヒュッテ(8:30)・・・槍沢(10:50)・・・横尾(12:30)・・・上高地(14:30)

天候:1日目:雨(降水RM)2日目:晴れ 3日目:快晴

1日目

本来は3泊4日で高瀬ダムより水俣川を逆行し北鎌尾根末端であるP2から北鎌尾根を詰めていく計画であったが、台風10号が日本列島に上陸予報。苦渋の決断にて1泊短縮の上高地周回ルートに変更した。
小雨が降る中、沢靴と傘を差しながら上高地を出発。横尾山荘で働く仲間に北鎌に行くことを告げ横尾を発つ。横尾付近から雨脚が強くなり槍沢沿いの登山道はいつ水没してもおかしくない程、水量が多い。また、横尾付近から連日の睡眠不足が響いたのか相方福島の調子が今一つ上がらないと言うより半目状態で歩いている。『ここで2時間テントを張って寝ましょう!』冗談で言っているのだと思っていたが本人は、かなり本気で言っていたらしい・・・。

槍沢は増水

槍沢に到着しても降水量は相変わらず多く、この状況のまま北鎌沢出合まで歩くか、最終宿泊地である槍沢で1泊して早朝に出発するか話し合いをした結果、本日の行動を打ち切りが決定した。

2日目
起床し上空を扇ぐと3000m付近の雲の流れは速い。しかし、午後より天候と風は収まるとの予報を期待して出発。槍沢大曲を過ぎ水俣沢に入った場所でルートを外すが、すぐに気が付き難を乗り切る。水俣乗越に続く登山道に大きいザックが二つデポしてあった。

風は速い

水俣乗越からはザレザレの天上沢を下降していく。かなり悪く下降に時間を要した。ザレ場が終了すると雪渓が出てくる。今回は滑り止めを持参していなかったので、右岸側の草付きを50m程トラバース。その後沢沿いに降りると明瞭な踏み後を発見し、そのまま沢のゴーロ帯を小一時間程で北鎌沢出合に到着。ここから北鎌のコルまで増水していると思われる北鎌沢右俣を沢登り状態で650mの登り返し。コル手前の分岐を右に行くのが正解だと知っていたが先行者が左に行った事。また、踏み後も明瞭に付いていたので、そのままコルまで登り念願の北鎌尾根に乗る。

北鎌沢右俣

北鎌沢上部

風も大分収まっていて天候の条件は良い。ただ、ここまでの登りで体力かなり消費してしまう。北鎌のコルから独標にかけては少し難しい一般登山道と言う感じで、危険箇所も少ない。しかし踏み後が複数付いているので巻き道は周囲を見渡しUターンしないように注意する。

独標

1時間程で森林限界との境となりザレ場を慎重に歩いていく。さらに30分程で独標基部に到着。

独標基部

今回はトラバースルートを選択し右手側に舵を切る。独標を回り込むとデポしてあるザックを発見。色々な事が頭をよぎりながら先を急ぐ。回り込んだ当りから次第に斜度が緩み始め弱点を探し直上。

弱点を探して登る

独標山頂直下の稜線に出た。そこからは今まで穂先にかかっていたガスが取れ穂先を視認することが出来た。

穂先が顔を出した

北鎌平からは相互協力しルートを考えながら岩稜帯を歩き穂先直下まで順調に進む。最後の所でルートを外し北鎌の最大の楽しみの一つであったチムニーを探せずに山頂に出てしまった。

北鎌を終えて

 

山頂で記念写真を撮って頂いた後、北鎌尾根を見渡してから下山を開始する。時間的に余裕があったので槍沢または横尾まで下る案も出たが天候も良く標高を下げるのはもったいないと思い殺生ヒュッテに幕営。夕食を取り18:00に就寝。

3日目
起床すると、雲一つない快晴。気分が良くなったので、穂先まで散歩をしてから下山開始。

 

最終日は快晴

北鎌尾根

槍沢沿いの高山植物と沢の渓流に癒される。

沢は穏やかになっていた

横尾山荘の仲間にアイスを頂き下山報告。淡々と長い林道を歩き上高地に下山した。
計画の変更はあったが、北鎌尾根から槍ヶ岳の山頂に立て無事に下山出来た事はパートナー及び山岳会の仲間があってからだと思います。