西穂高岳 北西尾根 日程2017311日(土)・12(日)

メンバー:L武田・福島・小川よ

タイム:311日 430起床~540新穂高温泉~725穂高平小屋~810柳谷(北西尾根取りつき)~1310 1950m付近~1500 2450m地点(幕営)~2000就寝

312日 330起床~520出発~6501岩峰~815J.P9202岩峰~1045西穂高岳山頂~1140ピラミッドピーク~1210独標~1300丸山~1310西穂山荘~1425西穂高口

去年の冬トレで悪天候と時間切れのため独標のちょっと先で撤退した西穂高岳。ちらちら見える岩稜がかっこよくて、今シーズン中に行きたい山リストに入っていた。当初はロープウェイの西穂高口からピストンでも自分には上等と考えていたが、小川会長が「西穂に行きたいならつきあってやる」というありがたいお言葉とともに、北西尾根からの提案をいただきルートを調べる(後で聞くと西尾根の間違いだったらしい)。自分にはちょっと高いハードルだが、できそう。登山大系を読んでも「さほど困難な場所はない」とある。丹羽ださんからの「登山大系は信用できない」とのアドバイスと、記録が少ないこと、あっても敗退の記録が多いことがちょっと不安。

週の半ばに雪がふった。「ラッセル敗退」という言葉が頭をよぎる。金曜日100頃新穂高温泉の無料駐車場着。軽く晩酌し車中で仮眠。福島さんの車は快適。

430起床。共同装備を確認・分担。福島さんがたくさん抱え込んで分けてくれない。フライとエッセンをなんとか確保。各自適当に朝食をとり、忘れ物がないかを確認(福島さんの高度計は大事だった)して出発。

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歩きはじめから足首くらいまで埋まる柔らかい地面。ツボ足でしばらく我慢していたが、すぐに音を上げる。ここで意地を張って時間がかかるのもいやなので、とっととワカンをつける。自分のワカンの調節がうまくできておらず、反省する。単独の男性1名、スキーの男性1名、西尾根に行くという男性2人パーティに先を行っていただく。

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725穂高平小屋で、西尾根の男性2人パーティに追いつく。西尾根も魅力的。ちょっと休憩して歩き出すとツボ足のトレースが進行方向に延々と続いている。膝くらいまで踏み抜いているようなトレース。すばらしい根性だ。

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810柳谷。北西尾根の取りつきは4点あり、柳谷からの取りつきは樹林帯が一番長いが比較的なだらか。いろいろ考えると、ここから入るのがベストかと思った。トレースは無い。ふかふかの雪の下は割と固く、思ったよりは歩きやすい。

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三人で先頭を交代しながら脛くらいのラッセル。福島さんがすごくパワフル。ところどころ急斜面がでてくるので、一歩一歩足場を固めながら登る。1時間に200mほどのペースでゆっくりだが確実に高度をあげているので、ラッセル敗退は回避できそうだとほっとした。遅くても1600までに幕営予定地点に到着すればいい。焦る必要もないので、都度のんびり休憩を入れる。

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ラッセルを続けるとすこしずつコツがわかってきて、かなり楽になってくる。いつの間にか幕営予定地点の高度まであがっていた。ようやく景色が開けてきて、周りの山々が見える。平坦な場所だったので付近を確認し、幕営地を決める。大きなうろがあったが、そこは外して整地。うろはトイレとする。熊がでてきたらイヤ。

1700エッセン開始。トマトと鯖のペンネ。簡単で軽くて面倒がない。食べて呑んで寝る。気の置けない楽しいテントだった。外に出ると霞かかった月がきれい。2000消灯。ぎうぎうの狭い中だったが、その分あたたかく快適だった。

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330起床。1200前には山頂に到着したい。外に出ると空がとてもクリアで風もない。よい一日になるのではないかと期待が高まる。

520出発。沢型の地形。少し間隔を開けて順番に進み、急斜面を越えると福島さんがほふく前進していた。クラストした雪面の下に大きな空洞があるそう。ほふく前進は疲れそうなので、自分と会長は左側から回り込む。

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650第一岩峰。雪がべったりついていて、足場がしっかりつくれると思っていたら、急に固い雪に変わった。ここからアイゼンをつける。ところどころ岩が出ているが、ほとんどが雪壁。ロープは不要。

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登り切るとジャンクションに向かって延々とトラバース。ところどころ前爪で登る箇所があり、ふくらはぎに来る。もたもたしていると疲れるので、駆け上がるように進む。

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ちょっと止まっては息を整え、足を休める。前をみると巨大な雪庇が張り出しており、下をみればどこまでも続く急な斜面。雪の下にハイマツと岩がうっすら見えるところを慎重に進む。ふと上をみると、西尾根に2つの人影。昨日会った人たちだ。姿がみえたのが嬉しいやら、先を行かれるのがちょっと残念やら。

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815西尾根との合流地点。西尾根からのトレースが残っていて、うっかりそちらに導かれてしまい、危うく西尾根から下ってしまうところだった。ここで大きく休憩。

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トラバースの先に大きな岩場が見える。すごいところにきちゃったなとちょっと緊張する自分をよそに、小川会長が余裕でスケッチを開始。ゆっくり休憩していると、西尾根から単独の男性があがってきた。聞くと木曜日から山に入り、西尾根のトレースをつけていたそう。西尾根の小岩場付近までひとりでラッセル。大変だろうな。歩いてきた北西尾根をふりかえるとくじらみたいなすごい雪庇。トレースを追ってトラバースし、ナイフリッジを進む。

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920第二岩峰。岩場の右側から登る。雪壁にはピッケルもアイゼンもしっかり刺さる。難しさは感じないが、失敗できないので緊張感が続く。ふくらはぎが疲れてくるのが怖い。岩にしっかり乗れる場所で十秒程度休める。

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バンドで少し休憩して、先に進む。ここも右側に回り込んで登るのがよさそうだが、ちょっとしたギャップが気になって最初の一歩がなかなかでない。一歩踏み出してしまえばなんということはなく、岩がしっかり出ていて、ガバをつかんでいけるのでとても快適。足も痛くない。

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ここまで快調だったが、山頂直下の岩場で少しナーバスになる。古いロープが上から張ってあるので、気休めまでに環付きに通す。これがかえって失敗だった。雪壁から左の岩に移りたくてもロープが邪魔で移動しづらい。もたもたしているとずるっと滑り落ち、すぐ下の岩で止まった。ここで完全にびびりスイッチが入ってしまう。安定した岩にのり、呼吸を整える間に会長が先を進んでくれる。ピッケルで安定した足場を作りながら登ればよかった。

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すぐそこが西穂高岳の山頂だが、一旦入ってしまったびびりスイッチがなかなか切り変わらない。最後の斜面が光っていて、氷の壁のように見えて手足が前に出ない。まさか、ここで自分のせいで敗退?ありえない。ここまで登ってきたところと斜度は変わらない。気持ちだけの問題。福島さんにダブルアックスにしたら安心感が違うといわれ、そうしてみると全く怖くない。山頂へ駆け上がるように登った。

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1045西穂高岳山頂。空は冴えわたっていて、目に入る山々の尾根がはっきりみえる。遠くの山は光っている。絶景に圧倒される。しばらく景色を楽しみ、自分たちの行きたい山を確認し、写真大会をして休憩。ここから離れるのが惜しい。

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1105下山開始。ここからは苦手な下りだ。独標までは気が抜けない。ただ、予定よりも早く山頂に到着できたのでロープウェイの時間を心配する必要もなく、焦らず歩ける。気持ちに余裕があるためか、すいすい進む。

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1140ピラミッドピーク。独標までの道をたくさんの人が歩いている。

1210独標。ここまでくる登山客でとても賑わっていた。ここでまたちょっと休憩し、邪魔なハーネスをはずす。たくさんの人が歩いているので、道がしっかりしていて非常に歩きやすい。前を歩くひとをどんどん抜きながら下る。

1300丸山を通過し、1310西穂山荘。アイゼンをはずして歩き始めるが、意外と滑る。二度転んで尻餅をついたので、かっこ悪いが観念してアイゼンを付け直した。

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1425西穂高口。大きなトラブルもなく、無事に下山できたことに心底ほっとした。自分には少し背伸びした山行だったが、会長と福島さんが一緒だったことと、天候に恵まれたことが本当に幸運だったと思う。まだまだ課題がたくさんあるが、すこしづつでも出来ることを増やしていきたい。