日程:2019年2月24日(日)

メンバー:L福島(記録)・内田

タイム:美濃戸口(4:15)・・・南沢分岐(5:00)・・・北西稜分岐(7:00~7:30)・・・摩利支天(12:30)・・・美濃戸口(16:00)

 土曜、日曜で現役代表と阿弥陀北西稜に行く予定であったが、現役代表が広島転勤となり山行が中止となる。とても楽しみにしていた山行だったため諦めきれず、日曜日しか空いていないという内田にお願いし、日帰りで阿弥陀北西稜をやることにした。

 20時15分に自分の自宅近くのコンビニで待ち合わせ、そこまで送ってくださった内田ファミリーに見送られながら出発。しかし不覚にも土岐で自分がアイゼンを忘れたことに気づき名古屋に戻り、往復1時間半ロスする。23時半~3時まで高速パーキングエリアで仮眠。八ヶ岳山荘Pで準備をし、4:15美濃戸口から歩く。ここを歩くのはもう3週連続。先週気温が上がり雪はかなり減っていたが、所々凍ってツルツル。美濃戸口から北西稜分岐まで休憩なしで一気に標高を上げる。最後高度計を美濃戸口で合わせたにも関わらず、100mも誤差があり北西稜分岐の緑ロープと黄色テープを見逃し、標高にして40mほど行き過ぎ戻る。放射冷却で気温が下がり、寒い寒いと言いながら分岐でアイゼン、ハーネスを付ける。分岐からはラッセルを覚悟していたが、踏み跡がついていたため迷うことなく北西稜に乗る。その後急登を登り北西稜全貌が見えてきた。カッコいい!ちょうど核心ピッチであろう所を登攀している2人パーティが見えてじっと見ていると、全然そこから動かないので不安になるが見ていても仕方ない。そのまま草付きや岩交じりの北西稜をせっせと詰めていく。途中ロープを出すか判断に迷う所もあったが、最近内田とロープを結ぶことが多いので、お互いの技量は周知している。ロープは出さずどんどん登って行ったが、終盤逆層の岩場で怖いところがあり、内田に1度ゴボウで引いてもらい、そこからはコンテに切り替える。岩交じりの右側の雪稜を詰めていくと突きあたりに立派なハンガーの支点があった。そこもスルーし右のバンドを行くと、草付きの岩場があった。斜面は全体的に寝ているが足が何とも悪そうだ。そのままコンテで行こうとする内田を制止し、1本だけロープを出すことにする。

1P目20m(リード:内田)→一見寝ていて階段状で簡単そうだが足が悪い。草付きから内田は左のリッジに豪快に乗る。サビサビのハーケンが1本リッジに打ってあった。リッジに乗らずそのまま右から行った方が楽だったかもしれない。

2P目40m(リード:内田)→トポで確認すると、どうやら最終ピッチに来てしまっていた。あれ?まだロープちゃんと出してないのに?ロープを出し、準備を整える。いきなりの核心ピッチにヒヨった私とは裏腹に内田はやりたそう。葛藤の末、内田にリードしていただく。最終ピッチは2通りある。クラックルートとフェイスのA1で抜けるルートだ。このためにアブミを1本だけ持ってきたため、フェイスの方を選択する。バンドを左に行き、そこからフェースを直上。バンドからは核心が見えない。内田の孤軍奮闘する声が聞こえてきてロープもちょうど30メートルの所で行ったり来たりしている。心配になり何度も声をかけるが、返事なし。確保ポイントが完全に日陰になり、寒くなってきたころ、ビレイ解除の合図。バンドをトラバースし、フェースを見上げた。やっぱ立ってる。内田はここをよくリードで行ったものだと感動したのも束の間、登り始める。足は見ればあるが、右のカンテに出るまで手がない。前日副代表からメールがあり、核心は出来ればドラツー、ノーテン、A0なし、フリーで抜ける努力をするようアドバイスがあった。あくまでもリードでという意味だったと思うが、そのリードから逃げた自分はせめてフリーで抜けないとと決めていた。時間がかかり、弱音も吐きまくり、目の前の内田がセットしてくれたアブミに乗りたい気持ちと戦いながらどうにかフリーで抜けて、そのままロープを安全地帯まで引っ張っていき内田を肩がらみで確保して稜線に出る。

 その後ロープをたたみ、摩利支天で記念撮影。御小屋尾根から無事下山する。

 阿弥陀北稜、大同心稜、石尊稜、中山尾根と、今季は内田と八ヶ岳に入り、お互いステップアップに取り組んできた。最近の内田の頑張りには目を見張るものがあり、体力も落ちてきて先が見えている自分としては内田の成長は嬉しい限りだ。今回良いところのなかった自分だが、今後も自分なりにステップアップできるよう努力していきたい。

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