2015年3月7日(土)~8日(日)

北アルプス錫杖岳前衛壁1ルンゼ/3ルンゼ敗退

メンバー 坂口、田中、その他1名(会員外)
記録 坂口
タイム 3月7日(土) 駐車場0:55-岩小屋3:00-1ルンゼ取り付き点4:00-登攀開始5:45-1ルンゼ終了点14:25-取り付き点16:25ー岩小屋17:15
3月8日(日) 岩小屋出発4:45-3ルンゼ取り付き点6:40-登攀終了8:10-取り付き点8:30ー駐車場12:00

2月からずっと狙い続けたきた錫杖岳前衛壁1ルンゼ。ここ数年の目標でもあった。
予報は金曜の天候は晴れ、土曜は曇りのち晴れ。
おそらく今シーズンのラストチャンスのはず。
パートナーは田中君と急遽参加がきまった千種アルパインクラブのHくん。

3月7日(土)田中君に運転をがんばってもらい駐車場に到着するとすぐにパッキングをすませ、0時55分に駐車場を出発。
比較的新しいトレースはあるものの、さすがにだれとも出会わなかった。
岩小屋付近にテントを張り、そのまま1ルンゼの取り付きに向かう。
4時に取り付き点に到着。少し明るくなった5:45に登攀開始。

1P目。じゃんけんをしてHくんリードでスタート。
はじめ凍ってそうにみえた凹角に張った氷から取り付いたが、中身はすかすかでプロテクションがとれそうにない。
少しクライムダウンしフェースからとりつく。下からみていても緊張する。
フォローで登ると悪さを実感する。
数箇所微妙なフッキングでムーブをこなさなければならず、神経をすり減らしたことだろう。
上部はプロテクションがとれず少しランナウトする。
自分じゃ抜けれなかったかも。
1P目を登りきると上部にはすばらしいブルーアイスが広がっていた。

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2P目。田中君リード。岩の上に薄く張った氷をひろって、V字岸壁の下でピッチを切る。
少し明るくなり塵なだれが頻発する。頼む、晴れないでくれ。

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3P目。坂口リード。3mくらいの垂直の氷を超えると10mくらいの垂直の氷が現れる。
2段状の氷を超えると右手に視点が見える。
次のピッチは氷が大きくスクリューを節約したかったのでそこでピッチをきる。
難しく感じない。50mほど伸ばしたか。
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4P目。Hくんリード。見栄えのする氷。
氷の状態としてはベストではないだろうか。やや左側のラインをとり安定した登りでロープが順調に伸びていく。心配していた天候は、曇りからしんしんと降り続ける雪となった。

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5P目。坂口リード。簡単そうに見えた氷は上部が幅80cmの氷柱状態となっており、思ったより苦労する。フォローの二人は自分が使わなかった右側のぐさぐさの氷をうまくつかったらしい。腕がパンプし、アックスがうまく握れない。我慢して氷柱をぬけた先を1段あがると、雪田に出て1ルンゼを抜けたことがわかった。

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懸垂下降を終えて取り付き地点へ到着し安堵する。
出し切ったクライミングが出来たことに喜びがわいて来た。

3月8日(日) 朝起きると少し雪が積もっていた。
H君は膝の調子が悪く、テント残ることに。
田中くんと二人で登ったことのないグラスホッパー左を登るため3ルンゼに向かう。
トレースすが北東壁側にのびていることに気づかず少し時間をロスする。

1P目田中くんリード。プロテクションを丁寧にとっていく。塵なだれが出始める。
空気がぬるく感じる。気温があがっているのだろう。
フォローで登るころには、2ルンゼ方向から大きめの塵なだれが発生し始め、敗退を決める。
3ルンゼはどか雪でなければ問題ないという認識だったので、良い経験となった。
3ルンゼの傾斜は緩く、前日から降り続いた雪の量が少量。
それでも高い気温の場合、ルンゼに入るには相当の見極めが必要だ。 以上