冬山合宿 北海道 層雲峡アイスクライミング

2017年12月28日~2018年1月2日

メンバー:L田中、太田(記録)

1日目:12月28日(木)移動

セントレアからLCCで新千歳空港へ。レンタカーを借りて旭川まで移動。道路は圧雪されて凍結しているが、思うほど滑らず安心。しかし道脇の雪の山に驚く。秀岳荘でガス等を調達し、明日からのクライミングに備える。

旭川

旭川

2日目:12月29日(金)尾滝

旭川市内から1時間半程度で銀河の滝に到着。海外からの観光客でにぎわっている。偵察だけして、尾滝に向かう。銀河トンネルを過ぎて大函の看板右にある駐車場に停め、道を渡ってスノーシェルター脇のトレースを進む。

道を渡り、スノーシェルター脇の踏み跡をたどる

道を渡り、スノーシェルター脇の踏み跡をたどる

3分程度でNAKA滝が出てきて、あまりのアプローチの良さに驚く。さらに8分歩くと尾滝、そこから10分でパラグフォールに到着。パラグフォールには取りついている人がいたので、ボコボコしていて易しそうな尾滝を登ることにした。

尾滝

尾滝

とりあえず田中さんリードで氷の様子をみる。見た目はボコボコしていて簡単に見えたが、スクリューが決めづらく登りにくかったとのことで、私はリードは諦めてトップロープで登ることにした。ノーテンを目指したが、抜け口の氷が薄く、もう少しのところでアックスが決まらず1テンで終わった。

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それぞれ2本ずつ登り、撤収。帰りの車中でキツネ話をしていたら、本当に出てきてビックリ。ルールルル。

3日目:12月30日(土) 銀河の滝

銀河の滝前の駐車場に到着すると、すでに取りついているパーティーが1組、登攀準備しているパーティーが2組。このルートは渡渉から始まる。地元のクライマーさんが、長靴を履いていても水しぶきが中に入って凍る可能性があるので、ごみ袋を巻くこと、本番用の靴下は別に持ってゆく事など親切に教えてくれた。

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浅そうに見えた石狩川はところどころ深く、長靴ぎりぎりになる箇所もあったが、何とか無事に渡りきる。長靴を川岸にデポし、登山靴に履き替えて歩くこと10分足らず、取りつきに到着。

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1P目 太田リード。おそらく気温は―5℃くらいで高く、氷が柔らかい。音高に水が流れている場所もある。比較的状態の良さそうなラインを選んで登るが、上部に行くほど滴りが激しくなり、アックスを抜くとそこから水が噴き出す始末。ビレー点に着いてロープを引き上げると針金になっていた。赤ロープは完全に凍り付き引き上げ不可能。青ロープだけで田中さんに上がってきてもらい、途中で赤ロープを剥がしてもらう。

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ロープの状態が良くないので、登攀中止も検討したが、とりあえずもう少し上に行ってみることにする。2P目の歩きは田中さんリード。極厚もなか雪で歩きにくい。次のビレー点まではロープ届かず、木で切る。

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3P目、雪壁をリード。すぐに次のビレー点が見つかり、一旦切る。ロープはまだ使えそうなので、私のリードで4P目も継続することにした。

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氷はところどころもろく、スクリューが決まらないところがあったりしたが、問題なく抜け、残置のテープスリングを使って懸垂して降りる。が、ロープが凍り付いて降りてこない。田中さん登り返しで別の残置にかけ替えて回収。このトラブルがあり、駐車場に着いた頃には真っ暗だった。

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4日目:12月31日(日) 雲井の滝

銀河の滝前の駐車場に車を停めて、冬季通行止め中の道を雲井の滝に向けて歩く。15分程度で雲井の滝の看板に着き、渡渉。ここは川が凍結しており、氷の上を渡れた。

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長靴をデポして10分程度で取りつきに到着。1P目田中さんリード。

シャンデリア

シャンデリア状の氷

下部はガサガサの氷でシビア。大量の落氷が滝壺に爆音と共に消えてゆく。途中、田中さんが振り返り「ラインどり間違えた!これ、太田さん上がってこれないやつかも~!」と一言。!?ワタシハドウスレバヨイノデスカ?

核心。ラインどりまちがえたー

核心。ラインどりまちがえたー

その後、上段に差し掛かり、ビレー点から姿は見えないが、珍しく吠えているのが聞こえる。1時間かかってトップアウト。さて、問題の私のフォローだが、登れるのか?

登り始めると氷がもろく、なかなか足が決まらない。核心部分はアックスを打ち込んだら氷柱がまるまる割れて落ちていった。気を取り直して残った上部に再度打ち込むも、メリメリ音が聞こえて怖くて体重をかけられない。絶望感に苛まれ、とりあえずヌンチャクにフィーフィーをかけて休みながら攻略方法を考えて、落ち着いて再トライしたら抜けられた。その後、垂直の上部でも1度フィーフィーを使って休み、私も1時間かかって抜けた。

氷はところどころスカスカ

氷はところどころスカスカ

田中さんの総評は、下部は氷がもろくて支点がとりにくく難しかったが、上部のの垂直は固くて快適だった、とのこと。このルートはマルチだが、1P目が一番立っていて予想以上に時間がかかってしまったのと、何よりも満足したので、1P目だけで降りることにした。駐車場の温度計を下山後に見ると、-6℃と暖かかった。

5日目:1月1日(月):パラグフォール、NAKA滝

2018年登り始め、そして合宿最終日。一番難しいパラグフォール(Ⅴ+)に田中さんが挑戦。

パラグフォール

パラグフォール

よほど難しいのだろう、普段静かな田中さんが頻繁に吠えている。上部はオフィズスのように見える。

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1時間かかって抜け、ガッツポーズ。疲れ切ったようで、降りてくるなり「出し切った!もう帰ってもいいな。」の一言。ワタシ、マダナニモノボッテイナイデス!懸垂してきたロープがトップロープ状態になっていたので、記念に私も触ってみる。下部の被っている部分を乗り越すのが怖い。

下部。かぶってます。

下部。

その先は立ってはいるが、手が良い。ジワジワ進み、オフィズス部分直下でベルグラ部分が怖ったのと、目標よりも大分登れたので降りることにした。

最後は壁のベルグラを使って登る

最後は壁のベルグラを使って登る

田中さんの顔には「帰りたい」と書いてあるが、私はリードに挑戦したい。初日に触った尾滝を見に行くが、上部の氷がなくなっていたので断念。NAKA滝を観察するも、いきなりリードは難しいということになり、田中さんが満身創痍でトップロープを張りに行ってくれた。

NAKA滝

NAKA滝

トップロープでノーテンで登れたらリードしようと思っていたが、そんなに甘くなかった。出だし核心で4日間のうちで一番登れず、フィーフィーを駆使し、ヘロヘロになりながら何とか回収した。

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行きの車では「新年だし、クライミング最終日だし、夜は海鮮を食べに行こう!」と盛り上がっていたが、二人ともそんな気力はなく、夕食は満場一致ですき家となった。

6日目:1月2日(火) 移動

朝起きると田中さんは昨日のパラグフォールの疲れで腕が筋肉痛になっているとのこと。今日名古屋に帰るので少し観光することに。市内の上川神社で初詣等して新千歳空港に向かい名古屋に帰った。