八ヶ岳 裏同心ルンゼ・ジョウゴ沢

2020年1月25日(土)~26日(日)

形態:アイスクライミング

メンバー:L太田(記録)、武田

タイム:

25日 裏同心ルンゼ:5:50 美濃戸口-8:50 赤岳鉱泉<テント設営>10:05-14:40裏同心ルンゼ登攀終了-16:25赤岳鉱泉

26日:ジョーゴ沢F1、F2:8:35ジョーゴ沢入り口-8:45F1、F2<反復練習>12:30赤岳鉱泉<テント撤収>13:30-15:50美濃戸口

武田さんが「裏同心ルンゼの全リードに挑戦したい!」ということだったので、八ヶ岳に向かった。

前日21:30に長久手を出発。おしゃべりに花が咲き、ノンストップで美濃戸口に到着。深夜だが春のように暖かい。4:30起床、のんびり準備して5:50出発。途中、東京から来たというイタリア・フランス出身の2人パーティーと出会い「コドウシン クラックに行くんだ!」とのことだったので、「『ショウ』同心クラックって読むんだよ」と教える。

普段より荷物が重いので4時間かかるかと思ったが、いつも通り3時間で鉱泉に到着。

アイスキャンディーが更に成長してる!

テントを設営し、10:05、裏同心ルンゼへ。12月14日に来たときは岩ゴロゴロだったが、すっかり雪が乗り景色が変わったため、本当に裏同心ルンゼか心配になるが、歩き続けるとちゃんとF1が出て来た。ここはロープを出さずに越える。

F1

F2からはロープを出したが、だいぶ雪に埋まっており、滝自体は短い。こんな時間にのんびり取りついているのは私たちだけかと思ったが、某大学山岳部と、ルートは2回目という東京の二人組がおり、和気あいあいと登る。

もなか雪で歩き難い

F3、F4 はほぼ雪の中で、もなか雪ラッセルを強いられる。終始上からは小さな氷の塊が落ちてくる。

なめ滝は雪の中

あっという間に最後のF5。左岸から抜ければ簡単だが、それでは練習にならないので、右岸から抜けてみないか、チャレンジを提案。ガンバです!

F5

上部が難しいらしく、奮闘の末、スクリューを打って「テンショーン」の声。ノーテンならず、惜しい!

幸い何時間でもビレーできるくらい暖かいので、焦らず、諦めず、じっくり取り組んでもらう。左岸を登っていた後続パーティーの男性が「うわ、下で見るよりだいぶ難しそうだね!ガンバ!」と応援してくれる。

他のパーティーが弱点を突く中、強点を攻める!

小一時間かかってトップアウトし、姿が見えなくなったと同時に、「ナイス クライミーング!」と先ほどの男性が労ってくれているのが聞こえる。

抜けた!

同じラインでフォローしてみたが、下から見るより悪く、慣れないリードでよくやり切ったなぁ、と感心。

そのままロープをまっすぐ大同心基部の近くまで引っ張り、登攀終了。先行パーティーが落としていると思っていた小さな氷の塊は、大同心周辺の岩稜のエビの尻尾が溶けてひっきりなしに飛んできているものだった。

大同心基部

ロープをたたみ、斜度が緩いところから大同心陵に向かう。某大学山岳部の女子2人組は左岸の急な雪稜を引き続きロープを出して登っている。「唯一の女の子の後輩なんで、かわいいんです」と、アイス初めての1年生を優しく引っ張る4年生。懸命についてゆく1年生。二人の健気な姿に、アラフォー太田&武田は終始「胸キュン」だった。

さて、下山。「コドウシン クラック」からは、朝のイタリア人・フランス人パーティーが歌っているのが聞こえる。

大同心・小同心。雪少ない。

大同心陵も雪が乗り、ラッセル跡はあるものの、正規ルートを外れているように見えたので、正規ルート探しをして遊ぶ。

踏み跡を外すと膝ラッセル

16:25 テントに戻る。暖かいので外で料理している人も多い。でも私は寒がりなので、テントの中でMSRに着火して料理を始めようとしたところ、プレヒート不足か、火柱が上がって焦る。鍋でカバーして事なきを得たが、太田のMy鍋はすすで真っ黒になった。

野菜たくさんスープ。フォカッチャと一緒に。

料理上手の武田さんがオシャレな野菜スープを作ってくれる。食材をふんだんに歩荷してくれていて感謝。美味しかったー!

翌日は近藤・田中パーティーに混ざって大同心大滝に行く案もあったが、ジョウゴ沢の方が良い練習になると判断し、5:30起床を決めて就寝。

26日 (日)

5:30起床。外は雪が舞っている。具沢山雑炊を食べてまったりしていると、7時半に近藤・田中パーティーがやってきた。テントから出ておしゃべりするが、寒い。みんなが「今日もあったかいねー。手袋なしでも居られるね。」と言っているのに、私だけ寒い。2週間前にひいた風邪がまだ治っていないからだろう。

ガスガス どんより

二人を見送り、8時過ぎにジョウゴ沢に向かう。まずはF1の小さい滝をラインを変えて3回ほどフリーで登り、蹴り込みを確認する。

F1で練習

F2に進むが、下部には横亀裂が何本か走り、中央部分は薄く、唯一登れるラインは見事に階段。時々「ボン!」という音がし、振動が足を伝う。これ、いつか「面」で氷が広範囲に崩れるやつでは・・・

基部には大きな亀裂。その50㎝くらい上にも横亀裂。

長居は無用という警告音の気もするが、せっかく来たので武田さんにリードしてもらう。

まずは左右にスクリューを打つ練習

ナイアガラに行こうかとも思っていたが、天候イマイチ、私はやはり風邪気味で元気が出ないので、今日はF2までとし、武田さんのビレーに徹する。だんだん風が出てきて体感温度が下がる。武田さんはトップロープを自分ではり、できるだけ立っている部分を選んで2回目を登る。

滝からはまた、「ボンッ!」

スクリュー練習

先行パーティーはいないものと思っていたが、1パーティー降りて来た。フードやザックが凍っている。「ナイアガラまで行ったが、階段だった。寒かったー。」、とのこと。階段を登りたいわけではないので、無理して行かなくて良かった。

3回目は再度リードでスクリュー練習をしてもらい、これ以上いると私の風邪が悪化するのが確実なので、撤収させてもらう。

冬景色

行きにはまだ小さかった樹氷が、数時間でだいぶ発達していた。

赤岳鉱泉にもどり、テントを撤収、下山するも、太田の1,400円チェーンスパイクが途中で破断する。やっぱり安物はだめなのか?幸い道は緩んでいる箇所が多かったので、特に問題にはならなかった。

懸賞生活をされていた某お笑い芸人さんらしき人に追い越されたが、本人である確証が持てず、声はかけずに終わる。(後でツイッターを確認したら、ご本人だった。)

もみの湯でゆっくり暖まり、ハルピンラーメンへ。「野菜ラーメンに味たまを…」と言いかけたら、「すみません!今日は26(ジロー)の日なので、ジローが安いです!」と言われ、思わず「じゃぁジローで!」と乗ってしまった。260円引きで490円也。

女子らしく、ニンニク抜きジロー

久々に女子2人で山に行ったが、登攀もおしゃべりも楽しく、たまにはこんな「ゆるふわ」山行も良いなぁとしみじみ思った。