2017年雪山雪稜

鹿島槍ヶ岳東尾根 2017.4.15-16

鹿島槍ヶ岳東尾根 日程2017年4月15日(土)・16(日)

メンバー:L S村・武田(記録)・吉居・小川よ

タイム:

4月15日 4:00起床~5:00大谷原駐車スペース~5:10東尾根取りつき~6:40 1730m地点~8:20一ノ沢ノ頭~9:50二ノ沢ノ頭~11:40露岩~13:30第一岩峰直下(幕営)~20:00就寝

4月16日 3:00起床~5:30出発~5:50第一岩峰~8:10第二岩峰~11:30北峰~12:45南峰~13:30布引山~14:30冷池山荘~15:50西沢入口~16:50大冷沢~18:00大谷原駐車スペース

 

前週行く予定だったが悪天候のため、日程を変更した。それなのに、初日の予報が良くない。徐々に回復傾向であったことと、日曜日の天気が良いことから、今回は計画通り遂行することとする。1:30頃大谷原駐車スペースに到着し、仮眠。

 

4:00起床。短い時間だったが、割としっかり眠れた。ただし、自分が風邪気味で咳がとまらず、周囲には迷惑をかけたのではないかと心配。準備していると小雨が降ってくる。歩きだすとすぐにやんだが、一日中不安定だと思うと少し気が滅入る。林道をしばらく歩くと東尾根に入るトレースがあったため、そこから取り付く。雪が解けて地面が露出しているところがあり、少し歩きにくい。出来るだけ雪のついているところを拾っていく。樹林帯は上の方に見える尾根を目指して割と適当に進んだ。きれいな日の出が見えたため、このままの天候であってほしいと願う。

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ちょこちょこ休憩を入れながら歩く。前日の睡眠不足がたたってか、S村さんは少し眩暈がするという。1730m付近で休んでいると、東京から来たという4人パーティが来たので抜いてもらう。足取りがとても軽快。

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8:20一ノ沢ノ頭。前を見ると先ほどのパーティがロープを出している。距離は2mほどと短いが、両側が切れ落ちているナイフリッジ。吉居さんが先頭でロープを出さずそのまま行ったが、自分はかなり緊張して普通に歩けず、腰がひけたまま通過した。S村さんと会長はなんなく歩く。

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二ノ沢ノ頭に向かう稜線上で、空に雲が広がり、霰が降ってくる。頭上で雷が鳴っている。とても近い。先行パーティは急で狭いリッジ上。雷はとても近い。雷が落ちる直前に前髪がぴりぴりすることに気づく。「あっ、きますよ」というと雷。怖いながらもなるほどとちょっと面白かった。あとで聞くと、先行パーティは雷が来たときにすでに割と厳しい場所におり、やむを得ずそのまま進んだところ、女性がひとり軽く雷に打たれたそう。

 

アイゼンをつけ、二ノ沢ノ頭まではゆっくりながらスムーズに歩く。視界は少しずつ悪くなっている。追いつくと先行パーティは途中ですでに雪洞を掘っており、しばらく様子をみるとのこと。もう少し先に進んでいくとする。

 

ここからの長いトラバース。途中、先頭を歩いていた自分の集中力が切れて怖さがでてしまったため吉居さんがかわってくれた。視界は悪くなる一方で、徐々になにも見えなくなる。どこかで幕営したほうがよいかと場所を探すがどこにもない。ぼんやりと見えていた露岩を目印に歩き続けた。

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露岩の右手には南壁。整地すればなんとかなりそうなので、ここで諦めて幕営するか。左にトレースのようなものが見えたのでS村さんが偵察。たぶん正解とのことでトップを交代しながら(割合は違う)そのまま進む。

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13:30第一岩峰直下。予定通りここで幕営とする。地形図から考えていたより斜度があり、整地にもちょっと緊張する。また、整地が終わりテントを出すころにはふっとばされるくらいの強風。テントを拡げて中に飛び込む。すべてが終わるまでテントごと風に持っていかれるのではないかとびくびくしながら支える。

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14:30 設営も終わり、することがないので呑む。会長はビールを持ってきていたが、からっぽ。どこかで缶に穴が開いていた様子。湿っぽい雪だったのでみんな装備がずぶ濡れ。できるだけ乾かそうとすると、上から水が垂れてきて、冷たい。吉居さんのエッセンはおいしかった。各々結構な量のアルコールを持参。相当盛り上がっていた。20:00就寝。風がすさまじくて怖いのと咳で苦しくて何度も目が覚めた。

 

3:00起床。風の音は変わらず。昨日会ったパーティは露岩の付近で幕営していたようだ。ライトがちらちら見える。朝食をとり、ゆっくりお茶をする。ゆるゆる準備をしているときれいな太陽。

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5:30出発し5:50第一岩峰取りつき。灌木を確保支点にしてS村さんリードで登る。フィックスしてラストはスタカット。雪は安定していて足場をしっかり作れる。中間の岩の下部に残置ハーケンがあり、それを左にまいてあがっていく。40mほどロープが伸びたところで解除の声。後ろからのパーティはトップの女性がランニングをとらずに雪壁を直上していった。

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第一岩峰を超え、割と急な斜面を延々と登る。結構疲れるので、ところどころで足場を固めて休みながら進んだ。斜面を登り切り、トラバースした先に第二岩峰。見えているのに思ったより長くかかる。

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8:10第二岩峰取り付き。残置ロープを支点にしてS村さんリードで登るが、チムニーのあたりが難しそうだ。30mほどロープが出た。みんな右側の岩を使って登っていくが、自分はうまくアイゼンをかけられず、後ろもつまっているので焦る。残置されていたお助け紐をつかんで、変な体勢で無理やり登った。

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9:30頃に第二岩峰を抜ける。北峰が遠い。休憩をする場所もないので、ばてないようにゆっくり歩く。先頭の吉居さんの歩くペースが心地よい。途中までは日の光があたたかく快適だったが、徐々に風が強くなる。風にあおられて体がふらつく。歩き方が不安定になり、緊張する。

 

11:30北峰に到着し、小休止。下から吹き上げる雪まじりの強風が顔をたたいて目がひどく傷む。右目からの涙が止まらず、よく見えない。北峰からの下りは雪が少ないガレ場で、そうでなくとも非常に歩きにくい。南峰まで風の状態は変わらない。風の中を歩くのはこういうものかと思いしった。もたもたしたので、ご迷惑をかけた。

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12:45南峰。雲行きが怪しい。突然吹雪いてきて視界が白くなる。歩き自体は問題ないが、天候が気になる。13:30布引山に到着することには落ち着いたのでほっとした。14:30冷池山荘を通過し、冷池乗越から少し上がる。雪が安定していたので、トラバースして赤岩尾根に入る。15:00トラバース終了し、傾斜の緩いところで休憩してハーネスをはずす。ここまででかなり時間がかかってしまったので、このまま赤岩尾根を使ってくだれば下山は18:00頃。またヘッデン下山になりそうだと覚悟する。

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歩き始めると、西沢の方向にトレースがあった。沢を下れば早い。シリセードで一気に沢を降りる。

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かなり時間を稼ぐことができたため、明るいうちに下山。ほっとした。16:50林道に合流。18:00駐車スペースに到着。下山で楽をした罰があたったのか、スコップを紛失。へこんだまま帰路についた。