伯耆大山北壁 別山 幻のカンテ
2021/1/30 雪・強風
メンバー:L木下(記録)、丹羽だ
タイム:
5:00スタート→6:00元谷小屋→7:30取りつき→8:00 1ピッチ目→9:30 2ピッチ目→11:00 3ピッチ目→12:00 4ピッチ目→
13:00別山山頂→14:40弥山西尾根→14:50下山開始→16:00駐車場
初めて自分で計画したアルパインクライミングの記念すべき一回目は伯耆富士とも呼ばれる大山へ。
雪崩の危険性があるため早朝に行動開始。しばらく進むと大神山神社が見えてきた。初詣と呼べるか疑問だが初詣?をすませ歩みを進める。
トレースに従って歩いていたが違和感があったため地図を確認したところ案の定間違っていた。ルートを修正し元谷小屋へ到着。元谷小屋から一般登山道を外れ弥山沢をを上がっていく。雪崩の心配をしていたが雪はアイスバーンだったため杞憂におわる。
バットレス中央稜のとりつきがわからなかったため先行パーティに尋ねたところもう一つの西の尾根とのこと。尾根を移動し、取り付きに到着。後ろから別パーティも登ってきていたためあっていそうだ。が、後になってわかるのだが自分たちが登ろうとしていたのはバットレス中央稜ではなく幻のカンテだったようだ。
そんなことをこの時はつゆ知らず一ピッチ目を開始。一ピッチ目は自分がリードで開始。登り始めてすぐブッシュ帯がでてきて直登しようと粘ったが断念し横にトラバース。通して言えることだがこのルートはプロテクションをとれるところがほとんどなくほぼノープロテクションの状態で登っていた。かろうじて取れたハイマツでのランヤードも落ちたら止まらないだろうという心もたなさ。プロテクションが取れないのはかなり精神的にきつかった。40m程登ったところで一ピッチ目終了。
2ピッチ目はかなり厳しそうなルートだったため、ひよって大輔さんにリードをお願いしてしまった。ちなみにこのあたりからとりつきを間違えたとに気づき始めた。2ピッチ目も1ピッチ目同様プロテクションをほとんど取れなかった。厳しいルートを大輔さんが慎重に登っていき、無事2ピッチ目終了。核心のトラバース部分はかなり厳しく痺れるルートだった。当初はバットレス中央稜を登る予定だったためルート的にアックスは2本は必要ないと思い、1本はピッケル、もう一本はアックスだったためかなり登りづらかった。
3ピッチ目も大輔さんリードでスタート。またひよってしまった… ここからは浮石や脆い岩が多く、持った岩が動いたりとかなりいやらしっかった。しばらく登ると狭いチムニーがでてきて一息つくことができた。チムニーを超えるとナイフリッジが登場。ここは歩くたびに岩がボロボロと落ちていき生きた心地がしなかった。ナイフリッジを超えたところで3ピッチ目終了。
4ピッチ目はこのままではだめだと思い自分がリードを。2ピッチ目、3ピッチ目に比べれば厳しくはないがナイフリッジが続く気の抜けないルートだった。ロープいっぱいの60m程登ったところで別山山頂に到着。ちょうど同じタイミングでバットレス中央稜を登ってきていた別パーティと遭遇。ここで初めて自分たちが幻のカンテというルートを登っていたことがわかった。
別山山頂からは弥山尾根までナイフリッジが続く。先行パーティが行くのを待ってから自分がリードでスタート。渡り切ったところで登攀中の写真を一切取っていないことに気づく。恥ずかしながら登攀中は写真を撮る余裕がなかった。写真を撮ろうとしたがガスと雪で視界が悪く手元のロープが辛うじて見える程度。ナイフリッジを無事に超え弥山尾根にでる。
計画では弥山山頂に行く予定だったが強風とガスで視界が悪いためこのまま下山することに。
しばらくは視界が悪かったがある程度標高を下げると風も弱くなり、視界も回復してきた。綺麗な樹氷を見ながら歩みを進める。登山口近くで二人して同時にコケるという妙にシンクロした部分もありながら駐車場に到着し本日の山行終了。
今回初めて自分で計画したアルパインクライミングを行ってみたが学ぶことが多かった。ボルトがない環境での支点の取り方やルートファインディング、雪崩を避けるためのルートの取り方など。また、今回はバットレス中央稜を行く予定だったが取り付きをまちがえ幻のカンテを登ることになった。取り付きを間違えたことは反省点ではあるが、結果的には幻のカンテに登れたことはよかったと思う。当初予定していたルートよりも難易度の高いルートを登れたことは自信につながった。