黄蓮谷右俣 アイスクライミング
2022.12.10-12.12
メンバー:L坂本、斉藤、鈴村(記)
タイム:1日目 愛知県 – 竹宇駐車場(8:30) - 五合目(14:00)
2日目 出発(5:00) – 六合目(5:30) - 取り付き(7:30) - 登山道合流(15:30) - 五合目()
3日目 出発(8:00) – 竹宇駐車場(10:40)
1日目 (12/10)
8:00駐車場着。25kg, 24kg, 26kg。肩にのしかかるザックは今回も重い。駒ケ岳神社に安全祈願し、橋を渡る。
秋から冬に変わった登山道は落ち葉びっしり。落ち葉ラッセルからの→たまに浮石のコンボで地味に体力奪われる。それにしても天気に恵まれ快晴。地蔵岳のオベリスク、その向こうの富士山までくっきり。
あ!富士山!と、見えるとテンションが上がる坂本さん、鈴村をよそになぜか冷ややかな斉藤さん。斉藤さんと富士山の因果、いったい何だろう?
― 話は戻って登山道、どこかの曲がり角から本峰が見えた。本峰へと至る黄蓮谷右俣、左肩の稜線へ伸びる左俣。明日への緊張が高まるとともに、あそこまでの遠さに心が折れる私。
14:00 なんとか五合目到着。前日からのパーティか、テントは既に3張り。スペースはまだ空いており、四人用テントを張る。明日の作戦会議。現時点で外気温は0℃。氷結状態は微妙なんじゃないか?坊主の滝凍ってるかな?今日のご飯はミートボール!なんて話をし19:00就寝。
2日目 (12/11)
3時 起床。未明に降った雪であたりは雪景色。朝ご飯を食べ、支度する。
5時 五合目出発。30分登山道を歩くと6合目に到着。ここでガイドパーティ3人と左俣に向かう2人組と出会う。先行で降りたガイドパーティを追う形で六丈沢を下る。
とここで凍った草付きに足を取られ滑り落ちる私。2, 3m だけで済み、大きなケガは無かったが左薬指を打撲。振り返ると、これがその先進むに当たっての良い薬?になったと思う。
7:00 取り付きまでのナメ滝?ルンゼ?を懸垂下降。そこからちょっと歩いて一つ目の滝に出合う。滝の氷結具合は大丈夫そう。
7:30 クライミング装備を整え、オンサイトじゃんけん。勝者は斉藤さん。1ピッチ目をリードしていただく。今季初アイス、アックスの刺さり具合は良い感覚をしているが、アイゼンの刺さっている感じがイマイチピンとこない。登り上がると右手にまた次の滝が見える。沢登りでよく見る大きなゴーロ帯を歩き、岩に氷にアイゼンを軋ませる。
2ピッチ目のオンサイトじゃんけん。ここは私が勝ち、リードさせていただく。全然立ってないじゃんと言われながらも、ありったけのスクリューを借り、氷に取り付く。ビビってる人はたくさんスクリュー打たないといけないので大変です。。。登り上がったところから沢の幅が狭くなり、ここからナメ滝かが始まるのか?という場面となった。
斜度は30度?とアックスいらない感じはするがこれがどこまでも続いている。振り返れば高さも増し、うっかり足を滑らそうものならこの滑り台、一体どこまで落ちてしまうのかと
いう恐ろしい場所を歩いていた。ここが奥千丈ノ滝だったのかな?その後もロープを出すまでもないが落ちてはいけない滑り台が延々と続く。
11:30先行パーティに追いつく。斜度がやや立っているため、ロープを出しての登攀のよう。よく見ると先のガイドパーティの前に4人のパーティがいたようだ。仲良く順番待ちをしてしばし休憩。
12:00 このピッチは坂本さんがリード。同じく今季初アイスのリードだったようだが、安定した登り。むしろ登りが早すぎて先行パーティを待つこととなる。きっとふくらはぎはパンパンになったであろう。
再び、雪の上を歩き、麓の景色を振り返っては眺め、ふと現れる岩壁に走る超ワイドクラックに歓喜していると、お次の氷瀑にたどり着く。
13:00 歩きが長すぎて全員お疲れ気味。アイスクライミングはお腹いっぱいですという中今日一番の傾斜がある氷瀑。距離も長いし、しんどそうと思っていたが、案の定ふくらはぎは悲鳴を上げる結果に。氷も薄いし、スクリューどこ打つのとなっていたここをリードした斉藤さん凄い!もうこれで終わりかと登り上がったその目の前に再び氷瀑現る。
ここを越えるといよいよ頂上付近か?というような景色に変わり、深く積もった雪面を歩き、うるさいブッシュに当たったり引っかかったり。
15:30 ようやく一般道に合流。頂上はどうする?というところで3週間前も来たから別に行かなくていいよという二人。後ろ髪引かれる思いとは、今まさにこの状況!といらぬことを考えながら七丈小屋、五合目のテントに引き返す。
18:00 五合目着。ルート完登できたこと、ケガせず無事帰ってきたことを讃え合い、夜が更けていった。
3日目 (12/12)
6:00 起床。今日は帰るだけだからとゆっくり起床で、ゆっくり朝ご飯。
8:00 テント撤収。
10:30駐車場 着。
坂本さん所感:
2年前から温めてた黄連谷 右俣。経験豊富なメンバーに助けられて、氷の回廊を登る事ができました。ありがとう。感謝の言葉しかありません。来シーズンは黄連谷 左俣&篠沢七丈瀑を登れるようにトレーニング頑張ります!
斉藤さん所感:
今回、坂本さんパーティに入れていただいて、黄蓮谷右俣を登ることができました。私の中では日本3大アイスクライミングルートと思っていて、とても行きたいルートでした。コンディションを掴むのが難しくて何度か敗退していたので、今回は良いコンディションの中で登れてとても嬉しかったです。どこまでも滑滝が続いていて、まさに氷の回廊でした。また機会があれば何度でも行きたいルートです。一緒に行ってくれたメンバーに感謝です。また、年末年始の北岳バットレスに向けたトレーニングもある中で、私の思いを尊重してくれたバットレスパートナーの丹羽くんにも感謝したいと思います。
鈴村所感:今季初アイスが国内ビッグルートの1つということで最高のスタートになりました。お次はお隣、仙丈ケ岳。岳沢ルートを目指してトレーニングしていきたい。