剱岳 早月尾根
2019年5月2日(木)~3日(金)
メンバー:L田中、金原(食料)、太田(記録)
タイム :1日目:7:00馬場島駐車場-(20分雨宿り)7:20登山口―10:45 1600m-14:00早月小屋 -19:00就寝
2日目:3:00起床-4:30早月小屋―7:30 2800m-8:00カニのハサミ?-8:50 山頂(30分休憩)9:00-9:40カニのハサミ?-10:10 2800m-10:20懸垂地点-12:00早月小屋(テント撤収、昼ご飯)13:25 ―15:05 1600m-17:00登山口
前日17:00に春日井発、20:30 上市町の24時間営業スーパーにて買い出しをし、馬場島へ。霧雨が降っている。軒下は他のパーティーのテントが複数張りあり、埋まっていたので、車中泊とする。夜通し、結構激しく雨が降っていた。
1日目
6:00起床。7:00、雨は上がりつつあるので準備をして出発、と、「アンバヨー!」のコール。以前在籍していた松浦さんだった。松浦さんたちも同じく早月だが、雨雲が近づいているので9:30まで出発を後らせるとのこと。もう一雨来るというニュースにテンションが下がるが、とりあえず登山口に向かう。
早月は初めての太田・金原。早速「試練と憧れ」の石碑前で写真を撮っていたら、アラレ混じりの強い雨が降り出し、20分ほど雨宿りをしてから登山道に入る。松尾平から雪が出て来たが、しまっており、さほど沈まない。
たまに夏道も出ており、カタクリ、イワウチワ、イワカガミなどが咲いていた。早月小屋のご主人と遭対協の方も私たちとほぼ同時に登ってこられ、今年は雪が少ないとおっしゃっていた。
1時間に300mくらい標高を上げる。単調な急な登りに飽きるが、雨も上がり周囲の山々や北方稜線も見えて来たので景色を楽しみながらのんびり歩く。トトロの形をした岩が小窓尾根、など、早月6回目の田中リーダーが教えてくれる。
標高2000を超え、早月小屋前の最後の登りに差し掛かると、頭上からカラカラ音がする。見上げてみると、樹氷が陽に煌めいて青空に揺れていた。出発前にテレビで見ていた「即位後朝見の儀」での皇后陛下のティアラを彷彿とさせる輝きに、しばし見入る。
14:00早月小屋着。先行パーティーのテントが2張り。金原君は「土木作業楽しい!」と言いながら、整地&ブロック積をしてくれた。
テントを建て終わったころ、松浦さんたち3人パーティーもやってきた。明日は2:30起きで早月尾根からの剱+南壁A2に行かれるそうだ。
山の酒 大雪渓900mlを消費したところで17:00、夕食の豆乳担々そうめんを食べる。金原君の研究の成果が出て、とてもおいしかった。そうめんを茹でた汁は普通はとてもしょっぱいが、豆乳で中和すると良い感じになる。
メンズが酔っ払いつつあり、することもないので、とりあえず寝る準備をしていると、お隣テントの松浦さんが「日が沈むよー!」と教えてくれた。夕陽を見て19:00就寝。
夜半、風が強く吹き、フライが飛ばされるかと思った。
2日目
3:00起床。富山の夜景がきれいだ。風はまだ残っているが、気温はさほど低くない。
卵雑炊の朝食をとり、準備をして4:30出発。稜線がうっすら明るんだ山々に、泊りの春山は初めての金原君は感動ひとしおのようだった。私もこの時間が一番好きだ。
うっすらトレースが残る道をひたすら登る。5:22日の出。目指す頂上も見えてきた。
6:00、休憩していると松浦さん達が追いついてきたので、抜いてもらう。
この辺りから、急な雪壁や、トラバースが出始める。
7:30、2800m地点を通過し、カニのハサミらしきところに到着。6人で攻略方を考え、岩場を行く人、草付きを行く人、雪壁をクライムダウンする人、それぞれのルートで下降する。
その後、山頂直下の凍ったガリーを通過。懸垂してくるパーティーがおり、ちょっと緊張。
8:50山頂。
八ツ峰に向かって黙祷。
360度見える快晴。剣沢にもテントが複数張りある。トイレも掘り起こされていて使えると、別山尾根から来た方が教えてくれた。
30分ほど景色を楽しみ、下山開始。
ガリーで私は懸垂を所望するが、田中リーダーに「出さなくても降りられるでしょ」と鍛えられる。
その後、1度懸垂する。
山頂で出会った、富山県警の方に注意をして頂いた雪庇を観察しながら下山。行は気が付かなかったので、結構雪庇よりに歩いていた。夏道側を歩くように意識しなければいけない。
12:00早月小屋着。ここまで、雪は緩んでおらず、快適なアイゼン歩行だった。時間もあるので、余っている食材で、ウインナーinマーボー春雨スープを作って外で食べる。
13:25、下山開始。大人数のパーティーと何度もすれ違う。トータル30人くらいはいたか。雪が緩み、重い荷物で更にすべるので、太田はアイゼンを付ける。1700mくらいの雪原でシュルンドが出はじめ、金原くんが足の付け根くらいまで踏み抜き、春山の洗礼に驚く。「前、このあたりで胸まで埋まった人がいた」と話す田中リーダーの後を忠実にたどっていた、その時だった。
金原君曰く、「突然、前を歩いていた太田さんが消えた」。
まるでコントのようだが、ケガがなくてよかった。雪の切れ目ができていれば気づきようもあるが、今回のような「穴」だと、どうしようもない。その後の下山はシュルンドに敏感になり、どっと疲れた。1300mくらいからコバエのような虫が体にまとわりつくようになり、非常に不快。重い荷物に膝が悲鳴を上げるが、何とか歩き、最後はカタクリと桜の花びらの絨毯で登山道が終わった。
「試練と憧れ」の石碑を行とは違った納得感で眺める。長くきつい登りの先には素晴らしい景色や雪と岩の殿堂が待っていました。
アルプスの湯 で汗を流し、呉羽PAでご飯を食べ、帰名した。