八ヶ岳 赤岳主稜
2022年12月17日(土)~18日(日)
形態:登攀(雪)
メンバー: L馬場K、吉居
タイム: 5:00美濃戸口~8:30赤岳鉱泉(テント設営など)9:30発~12:00ルート取付き~18:00 赤岳山頂~19:00赤岳展望荘付近(ビバーク)翌7:00発~8:30行者小屋~9:00赤岳鉱泉(食事・仮眠)14:30~17:00美濃戸口(下山)
冬クライミングルートのリードデビューとして、ずっと行きたかった赤岳主稜に吉居さんと行きました。
南岸低気圧の通過後に強い冬型となる予報。コンディションははっきりいって最悪だったのだが、冬トレも兼ねているということで、いけるところまで行きましょうとなり決行。
土曜日の低気圧の接近は昼以降ということはわかっていたので、なるべく早く出て降りてこようと、いつもの定宿はあきらめ美濃戸口に早朝1時に入り3時間仮眠して5時に出発。
赤岳鉱泉に到着し、テントを設営して準備を整え出発する。
天気は今のところ思っていたより良い感じだ。
文三郎尾根に入りアイゼンをつける。
途中、縦走してきたらしき6人くらいの若いパーティーとすれ違う。皆ゴーグルにバラクラバだったので上はだいぶ荒れているようだ。
文三郎の分岐に来るが、雪が少なく吉居さんの記憶と違うようで、行ってみたがかなり悪く、もうちょっと上の方かもしれないと戻ったりするが結局それらしきところはなく戻ったりして時間を食う。
結局最初のところを途中で少しルンゼをクライムダウンして登り返し取付きにたどり着く。
1P目 馬場K
1P目はリードさせて欲しいと頼んでいたので、とりつく。雪が中途半端についており悪い。少しもじもじしていたところ、岩にアイゼン穴があったのでそこに足を引っかける。ステミングっぽくなりあがるがその次の一手がみつからない。仕方ないので草付きにピッケル引っかけて荷重したら途端に大き目のラクとなり吉居さんに迷惑をかける。確実な手がみつからない。ピッケルもかからない。なんとかもがきながらなんとかチョックストーンを越える。 あがって来た吉居さんに聞いたところ、過去最高に悪かったとのこと。
2P目 吉居
つるべで吉居さんリード。特に問題なさそうに軽やかに上がられていった。フォローであがるが、特に問題なくあがれる。ここはⅢ級だったねと吉居さんとビレイ点で話す。
3P目~4P目 馬場K
ここも問題なく上がるが、リッジにでたらなかなか支点がとれずロープを伸ばしすぎる。適当なピナクルでビレイ。
このあたりで吉居さんのアイゼンの調子が悪くなり、以降私がリードすることになる。
風がかなり強く吹き出す。低気圧の影響が本格的にではじめる。
4P目~5P目 馬場K
階段状の岩場も問題なく通過。リッジからのルンゼ? また支点が取れずキョロキョロすると、ペツルが1本打ってあったのでそれでビレイ。
6P目 馬場K
上部岸壁にたどり付き、これを抜ければ山頂だと気合を入れる。トポにはフェースからの右のクラックと書いてあったのでそれを頼りにルーファイしていく。登りやすそうなルートが見えたのだが、さらに右の方に残置ボルトに垂れ下がるスリングとクラックが見える。そっちがルートだと思いトラバースして登りはじめるが、かなり悪い。支点もとれず、いろいろやってみたがどうも私には登れそうにない。
気が付いたら吉居さんの姿が見える。心配して痺れを切らしあがってきたようだ。
捨てビナにロープをかけ替えてロワーダウン。割としっかりしてはいたが、リングボルト一本のロワーダウンはかなり怖かった。
なんとかルートに復帰して、登りやすそうなところからリッジにあがったらいいのではとアドバイスを頂きあがる。
7P目 馬場K
あとは上部岩稜を登るだけ。でも日が暮れてしまってヘッデンクライミング。風は益々強くなってくる。夢中で登っていたらロープがつかえた。いつの間にかロープ一杯まで登ってしまったようだ。
少しクライムダウンして、適当なピナクルで支点をとってロープをあげる。
吉居さんがあがってきたら、ロープを片付けて下山路に出る。
赤岳展望荘を目指して歩く。とにかく風が強く、なかなか歩みが進まない。暗いので余計にスローダウン。赤岳展望荘まで1時間以上かかってしまった。
赤岳展望荘について気が抜けたのか、重い全身疲労感。
ツェルト被ってしばらく休憩することにする。 体力に不安がでてくる。
吉居さんは降りた方がいいのではと言っていたが、歩くとふらふらしてしまい、体も冷え切って回復しない。風は相変わらず強い。 このコンディションで、万が一地蔵尾根の途中で停止してしまったらかなりマズいことになるだろう。
そう思い吉居さんに「ちょっとおりるの無理っぽいです。」と申し出て、今日の行動はここまでとしてビバークすることになる。
初のビバーク。 吉居さんが休憩場所より良い場所をみつけてくれてそこに移動。だいぶ風をしのげるようになった。ツェルトをしっかり張る。
念のためもってきたシュラフカバーがすごく頼りになった。 エスビットを燃やして暖をとる。
寒さに震えながらも夜があける。 強い冬型のはずだったので暴風を警戒したが、思ったより風が弱い。
降りるなら今のうちかなと7時に下山開始。
地蔵尾根を下降して赤岳鉱泉におり、テントに転がり込んでラーメンをつくり、シュラフに潜り込んで仮眠後、下山した。
いろいろ反省があったものの、とても良い経験になった山行になりました。