五竜岳 2019年4月13日(土)〜14(日)
メンバー:L斉藤・馬場(記録)
4月13日(土)天候:晴れ
09:10テレキャビン終点1530m〜13:40西遠見テン場2200m
距離5.95km/標高差1162m
G2取付き偵察17:50
4月14(日)天候:雪のち晴れのち雨
03:45テン場〜07:55五竜岳〜13:25テン場2200m〜五竜岳2814m〜テレキャビン駅1530m
距離10.1km/標高差1277m
斉藤と馬場は道の駅で前夜泊をしてからエイブル五竜スキー場の駐車場へ向かった。準備を整えてテレキャビンに乗る。終着駅到着後、身支度を整えて9:10スタート。整地したゲレンデを荒らさないよう、スキーヤー、ボーダーの邪魔にならないよう、端を歩いてゲレンデトップにでる。
地蔵の頭を巻くこともできたが、そのまま登り、地蔵の頭で白い山、蒼い空を観光気分で堪能する。風は心地よく景色は美しく絶好のハイキング日和。ここより、小遠見尾根、中、大、西遠見尾根へとアップダウンする道のりをゆく。
春の日差しは要注意。休憩のたびに日焼け止めやリップクリームを塗るのだが、それでも足りないぐらいだ。まるでモデル撮影のようにライトとレフ板で照らされているようだから、アルパイン温泉女子部としてはヤラセ写真を撮ってみた。
山並みを眺めながら歩いているうちに本日の幕営予定地、西遠見に到着した。そこでテントを張りさっそく偵察に出かける。
水曜日あたりに降雪があったことでG0もG2も取り付きへのトレースは無かった。取付きはどこだろう?沢や尾根の数をかぞえながら目星をつけ、白岳沢の雪崩を回避できる最適なルートはどこだ?夜明け前の闇の中を間違えずにゆくための道筋を我々でつけておく必要があった。斉藤は雪崩後の真ん中を突っ切って最短ルートを、馬場は降雪後の好天、高温、夕刻につき、そんな所は絶対に行きたくないと反対した結果、デブリ下部より回り込むことになった。それにしても白岳沢への下りの傾斜はきつい。そのうえ、どこもかしこも雪崩そうだ。スキーならカットしてサッと逃げられるのに。ああ、板に乗りたいと馬場は思った。
テントに戻り、雪の中からヒョッコリとその姿を露わにしたビールを取り出し、タラコパスタとトマトスープを食す。プチ宴会をしながら翌朝のチゲ雑炊用のアルファ米を戻しておく。そして働きウーマンの我々は平日の睡眠時間を山で補うべく早々と寝る。夜中に風が強く舞う音が響く。翌日の天気は下り坂。午前中まで天気が持てばいけるだろうと斉藤は考えた。
丑三つ時2時半起床、3時45分出発。粉雪が舞い、風もある。星も何も見えない。G2稜の途中で天候が悪化した場合、時間がかかり過ぎた場合、いろいろ考慮して斉藤が行くか行かぬか迷い始めた。風は少しずつ強くなり、馬場は迷うならやめようと言い、それ以前に春の天気予報なんて当てにならないし、昼まで持つ気がしなかった。斉藤は中止と判断し馬場はホッとした。そして2人は方向転換して真っ暗な一般道にて山頂を目指した。
登れども、登れども前は自分達のベッドライトが照らすわずかな先しか見えない。昨日のトレースは夜半の雪でかき消されラッセルとなった。空が白んできて我々の想像に反して朝陽が山を照らし始めた。
G2稜の途中で天気が大きく崩れるのではないか、その場合の途中敗退が出来ない、弱気になってしまった、判断ミスった。と、斉藤は何度も呟いた。馬場も今日はラッセルとアイゼンワークトレーニングと割り切り、時折、交代しながら五竜小屋まで登った。そこからは五竜小屋に泊まったであろう先行者がいたのでトレースがあるかと思ったら風で掻き消され、またも、我々がトップバッターとなった。足元がサラサラと崩れそうなトラバースをダガーポジションでカニ移動する。その後、難所は無いもののボーッとしていたらあっという間に足元をすくわれる。本来なら今日、登攀したであろうG2を確認しつつほどなくして山頂についた。
期待を裏切るほどの景色がお目見えした。剱岳をバックに記念撮影だけして下山開始。我々のトレースを踏んだ登山者が何人か登ってきたので下りは安気である。G2、G0、目の前には唐松岳、遠くには白馬鑓ヶ岳など眺めながらのまったり下山。
幕営地に戻り、撤収して使わなかったロープやガチャを背負ってまた下山する。午後からテンきが崩れる予報通り、スキー場に戻る前あたりから吹雪始め、スキー場についたら雨となったが、あまり濡れずにテレキャビン駅に着く事ができた。ヤマテンの予報通りだったと斉藤がポツリと呟いた。
アルパイン温泉女子部としては、下山後は八方の湯からのパタゴニアショッピングをして白馬の締めはお蕎麦できまり!
翌日、タラコスパを食べたせいではなく、唇がタラコになってしまった。
唇の日焼け止めを怠ってはいけないのがアルパイン温泉女子部として最大の反省であった。