三方崩山 南尾根
2022年4月3日(日)
メンバー:L吉村、江刺(記)
タイム:道の駅 飛騨白山 (4:45)- 尾根取付( 7:05)-三方崩山頂 (13:40)- 道の駅 飛騨白山( 16:40)
前日21時に一宮駅を出発し、22:40に道の駅飛騨白山に到着。道中は雨だったが、道の駅では晴れていて星が見えた。23時半過ぎに就寝。
翌朝、4時起床。天気が崩れそうな予報だったが、まだ星が見えている。準備をして4:45に出発。
しばらく林道を歩き、南側まで回り込む。
大白川沿いの林道には斜面上方から川へと雪や岩屑がなだれ込み、堆積していた。歩き始めて1時間もしないうちにアイゼンを装着し、川に落ちないようにデブリを乗り越えながら進む。
途中、大ノマ谷を見上げると、大規模に雪崩れ、氷河のように下の方まで流れている跡が見えた。
トンネルを抜けると林道を離れ、尾根の方へ。日が昇ってきて暖かい。青空が見え始めた。
12月に登った時とは比べ物にならないほどの積雪だが、雪は締まっていてスノーシューを持参したが使わなかった。
7:05、尾根への急登を登り始める。どこを登ったら登りやすいか、もし上から崩れてきたら自分は逃げられる場所を歩いているか、など、吉村さんに教わり、考えながら歩く。
年末年始の冬山合宿からまともに雪山を歩いていなかったので急登がキツい。息は上がるが、足は上がらない。
8:20、ようやく尾根上に上がる。日が差してきて、汗が滴るほど暑い。急登が続く。
気温も上がってきて雪の表面はシャバシャバ。アイゼン、ピッケルがなかなか決まらない。
10時過ぎ、西側から雲が流れてきて、雪もチラチラ流れてきた。
標高1700mくらいから片側が崖、もう一方が急な雪面という道が続く。ロープを出して気をつけながら進む。
ロープを出すような山行は初めてだったので、それだけ危険な場所なのかとビビりながら進んだ。
地図を見ると山頂に近づくにつれて崖だらけだが、ちょうどその崖の間を上手くすり抜けられそうに見えた。しかし、実際には崖をいくつも正面突破という感じ。
頼りない木を掴み、脆い岩場の足元に気を取られながら、つるべ状態で登った。
不安定な場所でセルフを取り、確保をするのも初めてだ。ロープが引っかかり上手く出せなかったり、手袋が引っかかったりして苦戦。
ショートロープだったので何度も交代しながら登った。交代するたびに支点構築に時間がかかり、ロープの処理に手こずり焦る。
12時頃、頂上までもうそろそろだろうか、と地図を見るとまだ先がある。休憩しながら「あと一息ですね」と話したが、ここからが長かった。
頂上直下は木々もない急な雪面を登る。スタンディングアックスビレイという言葉も知らなかったが、教わりながら確実に確保し、滑り落ちないように慎重に登るのを心がける。
13:40に登頂。私は技術的にも体力的にもいっぱいいっぱいという感じ。その分、登頂できた達成感は大きい。
12月に登った時と同様に山頂付近はガスっていて真っ白。またどこで撮ったかわからないような登頂記念写真を撮った。
少し休憩して下山。ここからは平瀬道の一般ルートを下る。トレースもあり、道があるっていいな〜という安心感に浸る。
いつの間にかあたりはさらに真っ白で、視界は10mほど。トレースがなければどこへ進んだら良いかわからないくらいだ。
12月にはナイフリッジっぽい感じだった岩場もその上に2,3mの積雪があり、雪庇に気をつけながら慎重に下る。
ルートがあるとはいえ、気の抜けない雪稜を下って行く。
ところどころ積雪がクレバスのように割れて崩れている箇所を乗り越えながら進む。まだ数メートルの積雪があるので、12月に登ったのとは違う山を登ってるようだった。
1時間ほど下るとようやく雲が晴れて下界が見渡せた。積雪が多いのでルートを無視してショートカットして下ることができる。
林道に出てもまだ積雪十分でショートカット。積雪がシャバシャバで足を取られる。
16:40に登山口に着いて道の駅に下山。ちょうど戻ったタイミングを見計らったかのように雨が降ってきたが濡れずに済んだ。
ちょうど12時間ほど山に入っていたのでヘトヘト。すぐに、しらみずの湯で温まり、帰路についた。
一般ルート以外を登ったのも、ロープを出して確保しながら登ったのも初めての経験でとてもハードだったが、一つ上のレベルの山の楽しみを知ることができた。
これでまた登れる山が増えたと思ったら、次の笠ヶ岳のトレーニングやGW山行が楽しみになった。