日程:1月6日(土)~8日(月)
メンバー:L丹羽ダ(記録) 田中
タイム:初日 竹宇駒ヶ岳神社0610~黒戸尾根五合目11:30
2日目 五合目04:00~八合目06:00~取付06:50~登攀終了12:30~
登山道15:00~五合目16:30
3日目 五合目06:50~竹宇駒ヶ岳神社09:50
1月6日 前夜発。5時起きでの出発の為、ゆっくり眠れた。南岸低気圧が更に南の海上を進んでくれたおかげで、心配していた積雪もなくてワカンは置いて行くことにした。6時過ぎに出発。
途中、黄蓮谷左俣に行くという4人組のパーティと、抜きつ抜かれつとなったり(結局置いてかれた)、Aフランケの雪が多くて取り付けなくて敗退というパーティとすれ違ったりしながら歩いて行く。
刃渡りを過ぎたところ辺りから、田中君に異変が発生。昨年の夏合宿から荷を背負うと時々なるというツリ癖がでてペースダウン。この日は八合目まで行こうとしていたが、ペースが上がらなくなったため、急遽五合目にベースを張ることにした。
五合目はほとんど雪がなかったが、何とか見た目がきれいな雪を確保。ところが水を作ったら、恐ろしく濁った砂交じり(ミネラル豊富)の水が出来上がった。だいぶ時間が余ったので、燃料を節約しながら時間を潰し、19時に就寝。風がゴウゴウ吹いている。
1月7日 3時起床、4時出発。起床から出発までが1時間ピッタリだった。正月の冬山合宿は時間が押すことが多かった。
この日は朝から快晴。ただ風はまだ吹いていた。ラテの灯りを頼りに上部へと歩いて行く。七合目でアイゼンを装着。テンバには6張り位テントが張ってある。帰りにはなかったので、全員頂上往復かもしれない。
八合目まで来て少しずつ明るくなってきた。右へ折れ登山道が岩場へと向かうところを左側に一段降りると噂の石室があったが、入口が雪で半分埋まっていた。
ここから岩の基部を薄いトレースを頼りに進む。稜線からそれた為、風もなく穏やかだ。ところどころ急な下りをバックステップ混じりでこなし、どんどん下降する。1時間弱下ったところで、明らかにここというトポの写真と同じところへ到着。
1ピッチ目 丹羽 Ⅳ 25m
凹角のクラックからフェースだが、凹角が狭く早々にザックを荷揚げすることに。ジャミングが決まるが足も少なく悪く感じる。フェースも悪い。ところどころ草付きにダブルアックスが決まる。最後はガリーをステミングで越える。1時間以上格闘して大きな灌木で切る。
トポの1ピッチ目を途中で切った
2ピッチ目 丹羽 Ⅳ 50m
傾斜の寝ているように見える?!フェースをやや右上するバンドで少し上がったところにボールナッツを決める。縦フレークガバのクラックにバイルのピックを横向きに刺し、握り手とピック部分とで両手持ちにして左脚をハイステップするのが恐ろしい。更にひん曲がったハーケンでA0し、上部のバンドにアックスを掛けたところで、抜けないかどうか祈りながら立ちこんだ。
あとは左に回り込んでいくと歩きとなり3ピッチ目取付までいっぱいにロープを伸ばす。
3ピッチ目 田中 Ⅳ 30m
出だしが悪い。一段上がるところが高かったが、田中君はバイル2本を掛けながら左足をハイステップに上げて越えて行った。足がない。(丹羽はA0)立ちこむと岩が被さって来るので、右に回り込む。草付きをダブルアックスでこなしながら、狭いガリーの手前で切る。草付きは下から見ているよりも悪い。
4ピッチ目 田中 Ⅳ 50m
狭いガリーはここまでに比べれば遥かに快適。ダブルアックスで登る。クラックも長くないとのことだったので、田中君がそのまま伸ばすがここが激ワル。二人ともA0祭り。4番のカムに助かった。クラックを抜けてからのフェースも想像以上に悪く、トライカムが2つとハーケンから支点が取ってあり、田中君の唸り声が聞こえたのはこの辺りか。
トポによる登攀は終了(トポには全部Ⅳ級とあるが、ウソだと思いたい)したが、パッと見た感じ、まだ悪そうだったので灌木混じりのブッシュ帯を1ピッチだけスタカット、その後キリがなさそうだったのでコンテへ切替え、残り100mくらいのところからザイルをたたむ。ブッシュ混じりのラインは総じて悪く、ミスをすると命とりなので慎重に進む。
ピークを右に回り込み登山道に出た時はホッとした。
久しぶりにやり切った時のガッチリとした握手を交わし、サッサと下山。稜線は風も収まっていて比較的暖かく穏やかで、登攀日和となったが神経を使いきったのか五合目に戻ってきた時にはヘトヘトだった。
19時に就寝。
1月8日 4時に起床したが、朝飯を済ませたあと、燃料が尽きるまでゆっくり過ごして出発。この日は暴風雪予報が出ていたが、朝方は穏やかだった。
長い黒戸尾根を3ピッチで下って終了。下山したタイミングでポツポツと雨が降ってきた
ので、濡れずに済んでちょうど良かった。
丹羽ダにとっては、隠れ冬山合宿という気持ちで気合いが入っていただけに、無事に下りて来られてよかった。