日程:10月10日(土)~10月12日(月)

メンバー:L丹羽だ(記録)、田中

タイム:10月10日 05:20上高地~07:30横尾08:00~09:15T4尾根取付~雲稜取付10:50~17:00終了点~18:00T4テラス

    10月11日 起床05:00~T4テラス08:00~09:15T4取付~横尾10:20

    10月12日横尾06:40~上高地08:40

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10月10日 前夜発。沢渡の駐車場に日付が替わる直前に入る。駐車場が0時を回ると1日分取られるので要注意。今回は授業料を払うことになった。

 横尾本谷隊の二人と一緒に4200円の定額タクシーに乗って上高地へ。横尾まで快調に飛ばす。横尾山荘に働く澤君と再会を喜び合い屏風岩へ。

DSCF5096 秋も終わりの為か、おそらく相当水量が少ない横尾谷を渡渉して涸れ沢の1ルンゼを詰めていく。渡渉地点から1ルンゼの押し出しへはケルンや赤布がしっかりしていて迷うことはない。ただケルンが積んである渡渉地点は中州になっていて、渡渉終了と思って靴を履くともう一度脱がなくてはならなくなり、時間をロスする。ここでまた一つ勉強になった。

 1ルンゼを30~40分詰めるとT4取付き。途中、2パーティ追い抜くが、既に東稜に1パーティとT4尾根に1パーティ取付いていた。

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 T4尾根は2ピッチ登ってあとはコンテ。1ピッチ目は丹羽、2ピッチ目は田中でこなす。上部はⅢ級だがフィックスロープも張ってあり問題はない。T4テラスは思いのほか広くテントが2~3張りはできそうだ。いよいよ雲稜に取付く。

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1ピッチ目(Ⅴ)は田中。コーナーからハング、上部にいくと急になる。下から見ていると格好いいライン。狭いピナクルテラスで切る。

2ピッチ目(Ⅴ+)丹羽。垂壁を右上。出だしのルーファイに悩み、右へのトラバースにA0してしまった。2つ目のピナクルテラスが扇岩テラスだと思いピッチを切ってしまった。よく見ると5m程上に本物の扇岩テラスがあった。

3ピッチ目(A1)田中。全てはこのピッチの為に田中君はフリー用のきつい靴を持参してきた。が、しかし早々にアブミを取り出して登る。単調なアブミの架け替え。ピンの間隔は近いものが多い。またフリー(5.11+)用のペツルも打ってある。途中、ランナーが足らなくなった為、レッジ手前で切る。

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4ピッチ目(Ⅳ+、A1)田中。丹羽が最初ロープを伸ばすものの、ホールドがもろくて怖い垂壁が越えられずに右へ右へトラバースしていく。ただトラバースしても弱点がないので、出だしに戻ろうとしたが支点もなくクライムダウンが怖かった為、ピナクルにセルフを取りトップ交代してもらう。結局、A1で越えるものの、ハング下の大きなアンダーのガバも相当脆く、いつ剥がれてもおかしくない感触。田中くんも「生きた心地がしない~」とつぶやいていた。その後のバンドも高度感があった。しかし、なぜか初めからアブミという選択肢がなかった。ちょっともったいなかったと今なら思う。

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5ピッチ目(Ⅴ+)丹羽。ここから東壁ルンゼに入り左側のスラブを詰める。スラブに走るクラックをロープいっぱいまで伸ばす。

6ピッチ目(Ⅳ)田中。もう終わりという感じの傾斜の落ちたスラブ。

 

終了点は17時ちょうど。ここから行けるとこまで降りようということで休憩なしに下降開始。翌日は雨予報の為、できるだけ安全圏までいきたい。懸垂下降5ピッチでT4テラス。既に先客がいてT4テラスが狭くなっていた。ここでちょうど18時で日没を迎えた為、T4テラスでビバークすることにした。この日はほとんど食べてないので夕飯の雑炊がうまかった。ツエルトを張って19時には就寝。

 

10月11日 夜半から降り出した雨で半水没しアルミホイルのような銀マットにシュラフカバーの私は寝れなくなったが、分厚いマットにシュラフの田中君は良く寝れたようだ。5時頃起床。7時前に隣でテントを張っていたパーティが下降していった。我々も7時40分くらいに下降開始したがすぐのⅢ級の岩場にまだ居て懸垂下降の渋滞。結局8時頃に下りはじめることに。先行は人数が9人いるようだ。人数の多い懸垂下降はロープをフィックスして2本で下りないと日が暮れる。この日は雨で岩が濡れていた為、クライムダウンは危ないところが多い為、4ピッチ懸垂下降しT4取付きへ。

普通の沢となった1ルンゼを下降横尾山荘へ。チェックイン時間まで濡れた体で震えながらひたすら時間を潰し、あとは快適な山小屋ライフ。13時半頃、横尾本谷隊と再会する。大変な山行だったらしい。

10月12日 前の日の悪天候が嘘のような良い天気。特筆することはない、横尾から上高地へ下山。